第5回:フィンランド語の最重要格! 〜分格と否定文〜
Nyt tulee tärkeä kielioppi! (ヌト トゥレー タルケア キエリヨッピ! さあ重要な文法が来るよ!)
今回は、フィンランド語の格変化の中で最も重要で、最も使われる「分格(ぶんかく)」(Partitiivi)を学びます。これは「部分」を表す格で、「〜を」と訳されることが多いですが、そのニュアンスはとても奥が深いです。そして、この分格と切っても切れない関係にある「否定文」の作り方もマスターしましょう。ここが分かれば、フィンランド語の理解がぐっと深まります!
分格 (Partitiivi) とは?
分格は、その名の通り「部分・不特定・不完了」を表すのが核となるイメージです。
- ケーキを「ひとかけら」食べる → 部分
- 「いくつかの」本を読む → 不特定
- 「ずっと」音楽を聴く(終わりがない) → 不完了
作り方(基本): 母音で終わる単語の場合、語尾に -a/-ä を付けます。(`k, p, t`などで終わる単語は `-ta/-tä` を付けるなど、他にもルールがあります)
talo → taloa, omena (りんご) → omenaa
分格の最重要用法:否定文の目的語
まず、動詞の否定の形を覚えましょう。en, et, ei... という否定の助動詞を使い、動詞本体は語幹の形にします。
`olla`動詞の否定: en ole, et ole, ei ole, emme ole, ette ole, eivät ole
一般動詞の否定 (`puhua`): en puhu, et puhu, ei puhu, emme puhu, ette puhu, eivät puhu
フィンランド語の鉄則
否定文の目的語は、必ず【分格】になる!
肯定文:Minä luen kirjan. (私は本を[一冊まるごと]読みます。) - これは対格(次回以降)
否定文:Minä en lue kirjaa. (私は本を読みません。) - 分格
Minä en juo kahvia. (私はコーヒーを飲みません。)
Hän ei puhu englantia. (彼は英語を話しません。)
Me emme osta autoa. (私たちは車を買いません。)
今回のまとめ
フィンランド語の根幹に関わる、非常に重要なルールを学びました。
- 分格は「部分・不特定・不完了」を表す格で、基本は語尾に`-a/-ä`を付ける。
- 動詞の否定は `en/et/ei...` + 動詞の語幹 で作る。
- 【鉄則】否定文の目的語は、必ず分格になる。
分格には、他にも数字の後や、感情を表す動詞の目的語など、たくさんの使い方があります。まずはこの「否定文」での使い方を完璧にマスターしましょう。