第14回:場所格の総仕上げ! 〜『〜へ』を表す入格と向格〜
Mihin sinä menet? (ミヒン シナ メネト? 君はどこへ行くの?)
これまで、「〜の中で(ssa/ssä)」「〜の上で(lla/llä)」といった、静的な場所を表す格を学びましたね。今回はその総仕上げとして、目的地や方向、つまり「〜へ」という動きを表す格をマスターします。「入格(にゅうかく)」と「向格(こうかく)」です。これで、場所に関する表現は一通りできるようになりますよ!
入格 (Illatiivi):「〜の中へ」
建物や都市など、何かの「内部へ」向かう動きを表します。この格は語尾の形が少し多様で複雑ですが、基本パターンから覚えましょう。
入格の主な作り方
- 短い母音で終わる単語 → 最後の母音を繰り返し + n
- talo (家) → taloon
- 長い母音や二重母音で終わる単語 → + seen
- maa (国) → maahan (※これは不規則です。正しくは maahan)
- Lontoo (ロンドン) → Lontooseen
- `-e` で終わる単語 → `e` を取って + een
- huone (部屋) → huoneen
Menen kauppaan. (私は店へ行きます。)
Hän matkustaa Suomeen. (彼はフィンランドへ旅行します。)
向格 (Allatiivi):「〜の上へ」「〜のところへ」
何かの「表面へ」の動きや、「(人)のところへ」という動きを表します。こちらの作り方はシンプルで、語幹に -lle を付けるだけです。
pöytä (机) → pöydälle, tori (広場) → torille
また、この格は「誰々に」と、何かを受け取る人を表すのにも使われます。
Laita kirja pöydälle. (本を机の上に置いてください。)
Annan tämän lahjan sinulle. (私はこのプレゼントを君にあげます。)
今回のまとめ
目的地を表す2つの格を学び、場所に関する表現が出揃いました。
- 入格 (`-Vn`, `-seen`...)は「〜の中へ」という内部への動きを表す。
- 向格 (`-lle`)は「〜の上へ」「〜のところへ」という表面や人への動き、また受取人を表す。
「店に行く」なら`Menen kauppaan`、「郵便局に行く」なら`Menen postiin`、「ペッカに会いに行く」なら`Menen Pekalle`。この使い分けに慣れていきましょう。