第1章 第1節 第3項: 特別な文字たち (ĉ, ĝ, ĥ, ĵ, ŝ, ŭ) ~どうやって入力するの?~
エスペラントのユニークな文字たち
みんな、前のページで子音を勉強したときに、「ĉ」や「ŝ」みたいに、アルファベットの上に「^」や「˘」の記号がついた文字が出てきたのを覚えているかな?これらが、エスペラント語を特徴づける「特別な文字」たちなんだ。
これらの文字は、エスペラント語の音を正確に表すためにとっても大切なんだ。でも、「キーボードにそんな文字ないよー!」って思った人もいるんじゃないかな?大丈夫!このページでは、これらの文字の発音をもう一度おさらいして、パソコンやスマートフォンでどうやって入力するのかを、分かりやすく説明していくからね!
これらの文字は「チャペルリッテロイ(ĉapelliteroj、「帽子付き文字」)」とか「スペルシグニタイ リッテロイ(supersignitaj literoj、「上付き記号付き文字」)」なんて呼ばれるよ。
特別な文字の発音おさらい
まずは、それぞれの文字の音を思い出してみよう。詳しくは子音のページも見てね!
Ĉ ĉ (チョ) : 「チャ、チ、チュ、チェ、チョ」の「チ」の音。英語の "church" の "ch"。例:ĉokolado (チョコラード) - チョコレート
Ĝ ĝ (ヂョ) : 「ヂャ、ヂ、ヂュ、ヂェ、ヂョ」の「ヂ」の音。英語の "judge" の "j"。例:manĝi (マーンヂ) - 食べる
Ĥ ĥ (ッホ) : のどの奥で出す摩擦音。日本語にない難しい音。「ッハ」のように。例:eĥo (エッホ) - こだま
Ĵ ĵ (ジョ) : フランス語の "j" のような音。英語の "pleasure" の "s" ("zh")。例:garaĝo (ガラーヂョ) - 車庫、ガレージ
Ŝ ŝ (ショ) : 「シャ、シ、シュ、シェ、ショ」の「シ」の音。英語の "ship" の "sh"。例:fiŝo (フィーショ) - 魚
Ŭ ŭ (ウォ) : これは「半母音」といって、主に母音の「a」や「e」とくっついて「アウ(aw)」「エウ(ew)」のような音を作るんだ。口を「ウ」の形にすぼめて、すぐに次の音に移る感じ。英語の "w" に近いけど、もっと唇を丸めるよ。単独で語頭に来ることはほとんどないんだ。
例:ankaŭ (アンカウ) - ~もまた
Eŭropo (エウローポ) - ヨーロッパ
(注意:Ŭŭ の単独の音は出しにくいので、単語の例で聞いてね!)
どうしてこんな文字が必要なの?
「普通のアルファベットだけじゃダメなの?」って思うかもしれないね。エスペラント語を作ったザメンホフさんは、「1文字1音」という、とっても分かりやすいルールを目指したんだ。
例えば、英語だと "sh" って2文字で「シュ」の音を表すけど、エスペラント語では「ŝ」の1文字で「シュ」の音を表す。こうすることで、読み方がスッキリして、間違いにくくなるんだ。だから、これらの特別な文字は、エスペラント語の分かりやすさの秘密の一つなんだよ。
パソコンやスマホでの入力方法
さあ、いよいよこれらの文字をどうやって打つか、その方法を紹介するよ!キーボードに直接これらの文字がなくても、簡単な方法で入力できるから安心してね。
1.X方式 (x-sistemo) - おすすめ!一番カンタン!
これが一番よく使われていて、とっても簡単な方法だよ。基本のアルファベットの後に x
をつけるだけで、特別な文字に変換されるんだ。
- ĉ を入力するには →
cx
と打つ - ĝ を入力するには →
gx
と打つ - ĥ を入力するには →
hx
と打つ - ĵ を入力するには →
jx
と打つ - ŝ を入力するには →
sx
と打つ - ŭ を入力するには →
ux
と打つ (またはu~
や、単に文脈で自動変換されることも)
例:「ĉambro」と打ちたかったら、「cxambro
」と入力すればOK!
多くのエスペラント学習サイトやアプリ、メールソフトなどがこのX方式に対応しているよ。もし普通のメモ帳とかで打っても cx
のままだったら、エスペラント入力に対応したエディタや、ブラウザの拡張機能を使うと自動で変換してくれるようになるよ。
もし「ax」みたいに、本当に「x」の文字を打ちたいときは?
axx
のようにxを2回続けたり、a'x
のように間にアポストロフィを入れたりすると、普通のxとして入力できることが多いよ(これは使うソフトによって少し違う場合もある)。
2.H方式 (h-sistemo)
もう一つの方法として、H方式もあるよ。これは基本のアルファベットの後に h
をつけるんだ。
- ĉ を入力するには →
ch
と打つ - ĝ を入力するには →
gh
と打つ - ĥ を入力するには →
hh
と打つ (hを重ねる) - ĵ を入力するには →
jh
と打つ - ŝ を入力するには →
sh
と打つ - ŭ を入力するには →
u
と打つ (前後の文脈で判断されるか、特別な指定がある場合も)
X方式の方が、「x」が普通の単語であまり使われないから間違いにくいっていう理由で人気があるけど、H方式も歴史があって使われることがあるよ。
3.エスペラント専用キーボードレイアウトやアプリ
パソコンのOS(WindowsやMac)の設定で、エスペラント語のキーボードレイアウトを追加できる場合があるよ。そうすると、特定のキーを押すだけで直接これらの特別な文字が入力できるようになるんだ。
スマートフォンなら、エスペラント語入力に対応したキーボードアプリ(例えば "Gboard" でエスペラント語を追加するなど)を使うと、簡単にこれらの文字を打てるよ。
やってみよう!
まずは、自分のパソコンやスマホで、X方式で「Saluton cxar mi sxatas Esperanton!
」 (こんにちは、だって私はエスペラントが好きだから!) と打ってみよう。もしうまく変換されなくても、今は「こういう方法があるんだな」って覚えておけばOKだよ!
特別な文字を使った単語の例
入力方法が分かったところで、これらの文字が使われている単語をもっと見てみよう!
- manĝi (マーンヂ) - 食べる
意訳:マンモスも食べる! - ĉu (チュ) - ~ですか? (質問を作る言葉)
意訳:「チューしたことある?」って質問するイメージ。 - ŝanco (シャーンツォ) - チャンス
意訳:シャンプー中にビッグチャンス到来! - eĥo (エッホ) - こだま
意訳:「エッホー!」と叫ぶとこだまが返ってくる。 - ĵaŭdo (ジャウウド) - 木曜日
意訳:ジョーズが木曜日に現れる?!(ŭはaŭで「アウ」の音) - aŭto (アゥト) - 自動車
意訳:オートマ車。