ウルトラ先生のエスペラント語教室

第1章 第1節 第2項: 子音くんたちと友達になろう!

子音ってなあに?

母音(あいうえお)が息をスムーズに出す音だったのに対して、「子音(しいん)」は、息が口や鼻のどこかで一度止められたり、狭められたりして出る音のことだよ。例えば、「か(ka)」の「k」の音や、「さ(sa)」の「s」の音が子音だね。

エスペラント語の子音は、英語とも似ているものが多いけど、日本語の感覚で発音して大丈夫なものもたくさんあるんだ。でも、中にはちょっと練習が必要な音もあるから、一つ一つ確認していこう!

エスペラントのアルファベットは28文字。そのうち母音が5文字だから、残りの23文字が子音(または子音的な働きをする文字)ということになるね。でも心配しないで!ルールはやっぱりシンプルだよ。

子音のグループ紹介

たくさんの子音があるけど、分かりやすくいくつかのグループに分けて見ていこうね。

グループ1:日本語の音とそっくりさん! (比較的簡単だよ)

これらの子音は、日本語の「カ行、サ行、タ行、ナ行、ハ行、マ行、ヤ行、ラ行、ワ行」の最初の子音や、「パ行、バ行、ダ行、ガ行、ザ行」の子音とよく似ているよ。リラックスして発音してみよう!

  • B (ボ) - 日本語の「バ行」の音。例:bona (ボーナ) - 良い
    意訳:ボナセーラ!良い夜だ。
  • D (ド) - 日本語の「ダ行」の音。例:doni (ドーニ) - 与える
    意訳:ドネーション(寄付)する。
  • G (ゴ) - 日本語の「ガ行」の音。常に濁る音だよ(「学校」の「が」)。例:granda (グランダ) - 大きい
    意訳:グランドピアノは大きいね。
  • H (ホ) - 日本語の「ハ行」の音。ため息をつくように「ハー」と息を出す感じ。例:havi (ハーヴィ) - 持つ
    意訳:「ハブ・ア・ナイスデー」を持つ。
  • J (ヨ) - 日本語の「ヤ行」の「y」の音。母音とくっついて「ヤ・ユ・ヨ」のような音を作るよ。例:jes (イェス) - はい
    意訳:「イエス!」と元気に返事。
  • K (コ) - 日本語の「カ行」の音。例:kato (カート) - 猫
    意訳:カートに乗る猫。
  • M (モ) - 日本語の「マ行」の音。唇を閉じて鼻から息を出す。例:mano (マーノ) - 手
    意訳:「まぁ、お手々(てて)が汚れて」の「ま」。
  • N (ノ) - 日本語の「ナ行」の音。舌先を上の歯茎につけて鼻から息を出す。例:nova (ノーヴァ) - 新しい
    意訳:ノヴァ(新星)のように新しい。
  • P (ポ) - 日本語の「パ行」の音。唇を閉じて、息を破裂させる。例:pordo (Pポード) - ドア
    意訳:ポート(港)の入り口のドア。
  • S (ソ) - 日本語の「サ行」の音。歯の間から息を漏らす。例:suno (スーノ) - 太陽
    意訳:SUN(太陽)がさんさんと。
  • T (ト) - 日本語の「タ行」の音。例:tago (ターゴ) - 日、一日
    意訳:毎日タッグを組む太陽と月。
  • Z (ゾ) - 日本語の「ザ行」の音。「s」の音を有声音(のどを震わせる)にしたもの。例:zero (ゼーロ) - ゼロ
    意訳:点数はゼロ。

グループ2:ちょっとだけ意識してみよう! (練習すれば大丈夫)

これらの音は、日本語にも似た音があるけど、出し方が少し違ったり、日本語ではあまり区別しない音だったりするよ。

  • F (フォ) - 上の歯で下唇を軽く噛んで、その隙間から息を出す音。「フ」より「フォ」に近い。日本語の「ファイト!」の「フ」を意識して。例:floro (フローロ) - 花
    意訳:フラワー(花)がフワフワ。
  • L (ロ) - 舌先を上の歯茎の裏につけて、舌の両脇から息を出す音。英語の "L" と同じだよ。日本語の「ラリルレロ」とは違うので注意!「ルルル~♪」と舌を弾かずに発音するイメージ。例:lakto (ラークト) - 牛乳
    意訳:ラクトアイスは牛乳から。
  • R (ロ) - 舌先を上の歯茎のあたりで震わせる「巻き舌」の音だよ。スペイン語やイタリア語の "R" に近い。最初は難しいかもしれないけど、「トゥルルル」と練習してみて!もし巻き舌が難しかったら、英語の "R" (舌を巻くけど震わせない) のように発音しても通じることは通じるけど、エスペラントでは巻き舌が理想だよ。例:rivero (リヴェーロ) - 川
    意訳:リバー(川)がサラサラ流れる。
  • V (ヴォ) - 「F」の音を有声音(のどを震わせる)にしたもの。上の歯で下唇を軽く噛んで、声を出しながら息を出す。「ヴ」の音。例:verda (ヴェルダ) - 緑の
    意訳:ベルベットのような緑。

L と R の違いは大切! 日本語だと同じ「ラ行」に聞こえちゃうかもしれないけど、エスペラントでは全く違う音だよ。例えば、"larmo" (ラルモ - 涙) と "varma" (ヴァルマ - 温かい) みたいに、意味が変わっちゃうから、しっかり区別できるように練習しようね。

グループ3:エスペラントの特別な仲間たち! (記号に注目!)

これらの子音は、アルファベットの上に「^」(サーカムフレックス、または「屋根」って呼ぶよ) という記号がついているのが特徴だよ。日本語にはない音もあるから、じっくり聞いてマネしてみよう!これらの文字の入力方法は、次の「特別な文字たち」のページで詳しく説明するね。

  • Ĉ (チョ) - 日本語の「チャ行」の「チ」に近い音。「ts」の音を強く、一気に破裂させる感じ。英語の "church" の "ch" の音。例:ĉambro (チャームブロ) - 部屋
    意訳:チャイムを鳴らして入る部屋。
  • Ĝ (ヂョ) - 「Ĉ」の音を有声音(のどを震わせる)にしたもの。日本語の「ヂ」や「ジャ行」の「ジ」に近い音。英語の "judge" の "j" や "g" の音。例:ĝardeno (ジャルデーノ) - 庭
    意訳:ジャングルみたいな庭。
  • Ĥ (ッホ) - のどの奥をこするようにして出す、強い摩擦音。「ッハ」とか「ッホ」のように聞こえるかも。ドイツ語の "Bach" の "ch" や、スコットランドの "loch" の "ch" の音に似ているよ。日本語にはない音なので、練習が必要。あまり使われない文字でもあるけど、覚えておこう。例:ĥoro (ッホーロ / コーロ) - 合唱団
    意訳:ホールに響くコーラス(合唱)。
  • Ĵ (ジョ) - フランス語の "journal" の "j" のような音。日本語の「ジ」よりも、もっと舌が口の中で震える感じ。「s」を有声化して、さらに舌の位置を後ろにしたような音。英語の "pleasure" の "s" の音 ("zh" のような音)。例:ĵurnalo (ジュルナーロ) - 新聞
    意訳:ジャーナリズムを伝える新聞。
  • Ŝ (ショ) - 日本語の「シャ行」の「シ」に近い音。英語の "ship" の "sh" の音。「静かに!」って言うときの「シーッ」の音だよ。例:ŝipo (シーポ) - 船
    意訳:シップ(船)が海原を行く。

Ŭ (ウォ) という文字もあるけど、これは母音の「u」とセットで使われることが多い半母音で、次の「特別な文字たち」のページで詳しく説明するね!)

さあ、練習だ!

たくさんの子音が出てきたけど、焦らなくて大丈夫。一つ一つの音を、お手本の音声と自分の口の動きを比べながら、ゆっくり練習してみてね。

特に「LとR」、「SとŜとZとĴ」、「CとĈとĜ」の区別は、最初は難しく感じるかもしれないけど、意識して練習すれば必ずできるようになるよ!

言葉は音の組み合わせ。子音と母音が合わさって、初めて意味のある単語になるんだ。自転車のペダルを漕ぐみたいに、一つ一つの音を丁寧に出す練習をしていこう!