3-1: "to" が消える?!【Bare Infinitive (原形不定詞)】
第3章へようこそ!ここでは、to不定詞のさらに奥深い世界を探検します。 これまで、不定詞といえば「to + 動詞の原形」が基本でしたね。 しかし、英語には特定の動詞の後ろでは、なんと "to" が省略され、「 」だけが使われる特別なルールがあります。 この "to" のない不定詞のことを「Bare Infinitive (ベア インフィニティヴ/原形不定詞)」と呼びます。
原形不定詞は、主に「使役動詞」と「知覚動詞」と呼ばれるグループの動詞と一緒に使われます。それぞれ詳しく見ていきましょう!
① 使役動詞 + O + :「Oに~させる」
「使役動詞 (Causative Verbs)」とは、人や物に何かを「させる」という意味を持つ動詞のことです。 代表的な使役動詞である make, have, let の後ろでは、目的語(O)の次に が来ます。 それぞれの動詞で「させる」のニュアンスが少し異なります。
1. make + O + :(強制的に) Oに~させる
相手の意志に関わらず、強制的に何かをさせる、という強い意味合いがあります。
make + 目的語(O) +
My mother made me my room.
母は私に部屋を掃除させた。
The sad news made her .
その悲しい知らせは彼女を泣かせた。
The coach made the players ten laps.
コーチは選手たちに10周走らせた。
What makes you so?
何があなたにそう思わせるのですか?(どうしてそう思うの?)
Don't make me too long.
私をあまり長く待たせないでください。
2. have + O + :(依頼・当然として) Oに~してもらう、~させる
強制ではなく、頼んで何かをしてもらったり、当然のこととして何かをさせたりする場合に使います。Oが専門家やサービス提供者の場合が多いです。
have + 目的語(O) +
I had the mechanic my car.
私は整備士に車を点検してもらった。
The teacher had the students an essay.
先生は生徒たちにエッセイを書かせた。
Could you have someone my luggage to my room?
どなたかに私の荷物を部屋まで運んでいただけますか?
We had him the situation.
私たちは彼に状況を説明してもらった。
I'll have my secretary you back later.
後ほど秘書に電話をかけさせます。
※ have O done (過去分詞) という「Oを~される(被害)」「Oを~してもらう(完了)」の形もあるので注意!
3. let + O + :(許可して) Oに~させてあげる、~するのを許す
相手がしたいことをさせてあげる、許可を与える、という意味合いです。
let + 目的語(O) +
My parents didn't let me to the concert.
両親は私をコンサートに行かせてくれなかった。
Let me if you need any help.
もし助けが必要なら私に知らせてください。
Please let me my friend, Ken.
私の友人のケンを紹介させてください。
Don't let this opportunity away.
この機会を逃さないでください。(機会を逃げさせてはいけない)
He let his children outside until dark.
彼は子供たちを暗くなるまで外で遊ばせておいた。
get O to do (Oに~してもらう/説得する) や force O to do (Oに強制的に~させる) のように、使役的な意味でも to不定詞 を使う動詞もあるので、動詞ごとに形を覚えましょう。
使役動詞のイメージ
makeは強制、haveは依頼/当然、letは許可、というニュアンスの違いがあります。
② 知覚動詞 + O + / -ing形:「Oが~する/しているのを見る/聞く/感じる」
「知覚動詞 (Verbs of Perception)」とは、五感(見る、聞く、感じるなど)を使って何かを知覚することを表す動詞です。 代表的な知覚動詞 (see, watch, hear, listen to, feel, notice など) の後ろでは、目的語(O)の次に または 現在分詞(-ing形) が来ます。 どちらを使うかで、ニュアンスが少し異なります。
1. 知覚動詞 + O +
:Oが~するのを見る/聞く/感じる (動作の一部始終)動作の始まりから終わりまで、一連の動作全体を知覚した場合に使います。
知覚動詞 + 目的語(O) +
I saw him the building.
私は彼がその建物に入るのを見た。
We heard someone outside.
私たちは誰かが外で叫ぶのを聞いた。
Did you feel the earth just now?
たった今、地面が揺れるのを感じましたか?
I watched the children in the park.
私は子供たちが公園で遊ぶのを(じっと)見ていた。
She noticed him the room quietly.
彼女は彼が静かに部屋を出ていくのに気づいた。
2. 知覚動詞 + O + -ing形 (現在分詞):Oが~しているのを見る/聞く/感じる (動作の途中)
動作が行われている真っ最中、その一部を知覚した場合に使います。臨場感が出ます。
知覚動詞 + 目的語(O) + 動詞の-ing形
I saw him entering the building.
私は彼がその建物に入っていくのを見た。
Can you feel the floor shaking?
床が揺れているのを感じますか?
We listened to the birds singing outside the window.
私たちは窓の外で鳥たちがさえずっているのを(意識して)聞いた。
I watched the team practicing on the field.
私はチームがフィールドで練習しているのを(じっと)見ていた。
He felt someone touching his shoulder.
彼は誰かが自分の肩に触れているのを感じた。
※ 知覚動詞の後ろに 過去分詞(done) が来ることもあります (I heard my name called. 自分の名前が呼ばれるのを聞いた)。これは O が「~される」場合です。
知覚動詞のイメージ
動作全体を見たなら-ing形を使います。
、動作の途中を見たなら③ help + O + (to) :「Oが~するのを手伝う」
動詞 help の場合は特別で、目的語(O)の後に続く不定詞は、to を付けても、 (to なし) にしても、どちらでもOKです。意味はほとんど変わりません。(アメリカ英語では原形不定詞が好まれる傾向があります。)
help + 目的語(O) + [to]
Could you help me (to) these heavy bags?
これらの重いカバンを運ぶのを手伝っていただけませんか?
This software will help you (to) English more effectively.
このソフトウェアはあなたがより効果的に英語を学ぶのを助けてくれるでしょう。
He helped the old woman (to) the street.
彼はその老婦人が通りを渡るのを手伝った。
Reading books helps me (to) .
本を読むことは私がリラックスするのに役立つ。
Can I help you (to) something?
何かお探しするのをお手伝いしましょうか?
原形不定詞 練習ドリル
ドリル1:適切な形を選ぼう!(原形? to do? -ing?)
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