2-6: 頭でっかちを解消!【形式主語・形式目的語の it】
英語の文は、主語が長くなったり、目的語が複雑になったりすると、少し分かりにくくなることがあります。 特に、to不定詞が「~すること」という意味で主語や目的語になるとき、文が「頭でっかち」になりがちです。 そんなときに大活躍するのが、仮の主語や目的語として置かれる「it」なんです! この it を使うことで、文の形がスッキリし、言いたいことが伝わりやすくなります。
A. 形式主語の it (Formal Subject)
「~することは…だ」とto不定詞を使って言いたいとき、to不定詞句が文の最初に来ると主語が長くなってしまうことがありますね。 英語では、このような長い主語を避けるために、まず仮の主語として「it」を文頭に置き、本当の主語であるto不定詞句を文の後ろに回すというテクニックを使います。 この最初に置かれる「it」を「形式主語」、後ろに回されたto不定詞句を「真の主語」と呼びます。
形式主語のitの基本構造
It + be動詞 + 形容詞/名詞など (+ for A / of A) + to + 動詞の原形 ... .
この it は、後ろの to不定詞句 全体を指しています。
例文 (形式主語)
It is fun to play soccer with friends.
友達とサッカーをすることは楽しいです。
It is important for students to review their lessons.
生徒たちが授業の復習をすることは重要です。
It takes a lot of courage to speak in front of many people.
多くの人の前で話すには多くの勇気が必要です。
It was kind of you to help the elderly lady.
そのお年寄りの女性を助けてくださるとは、あなたは親切でした。
It is difficult to master a foreign language.
外国語を習得することは難しいです。
It is necessary for us to protect the environment.
私たちが環境を保護することは必要です。
It was foolish of him to make the same mistake again.
再び同じ間違いをするとは、彼は愚かだった。
It is considered rude to interrupt someone while they are speaking.
人が話しているのを邪魔するのは失礼だと考えられています。
It requires patience to teach children.
子供たちを教えるには忍耐が必要です。
Was it easy for her to find the place?
彼女がその場所を見つけるのは簡単でしたか?
主語の移動を見てみよう!
長いto不定詞句が文末にスライドし、空いた主語の位置にItがポンと入るイメージです。
B. 形式目的語の it (Formal Object)
形式主語と同じように、動詞の目的語がto不定詞句で長くなる場合も、それを避けるために仮の目的語「it」を使うことがあります。 これは特に、S (主語) + V (動詞) + O (目的語) + C (補語) という第5文型の文でよく見られます。 動詞の後にまず「it」を仮の目的語として置き、その後に補語(C)、そして最後に本当の目的語であるto不定詞句を続けます。
形式目的語のitの基本構造 (SVOC)
S + V (動詞) + it + C (形容詞/名詞) (+ for A) + to + 動詞の原形 ... .
この it も、後ろの to不定詞句 全体を指しています。 よく使われる動詞には、find, think, believe, consider, make, take for granted などがあります。
例文 (形式目的語)
I find it interesting to learn about different cultures.
異文化について学ぶことは面白いと思います。
She made it a rule for her children to go to bed by nine.
彼女は子供たちが9時までに寝ることを規則にしました。
We consider it our duty to help those in need.
私たちは困っている人々を助けることを私たちの義務だと考えています。
He thinks it difficult to master Chinese.
彼は中国語を習得するのは難しいと考えています。
Do you believe it possible to finish the project in a week?
あなたはそのプロジェクトを1週間で終えることが可能だと信じますか?
Technology has made it easier for people to communicate.
テクノロジーは人々がコミュニケーションをとることをより簡単にしました。
I took it for granted that he would help me. (※that節の場合)
私は彼が私を助けてくれるのを当然のことと思っていました。(that節でも使われる)
They found it necessary to change their plans.
彼らは計画を変更することが必要だとわかりました。
Let's make it clear what we need to do next. (※疑問詞節の場合)
次に何をすべきか明確にしましょう。(疑問詞節も真の目的語になりうる)
He considers it best not to mention the incident.
彼はその出来事に言及しないのが最善だと考えている。(否定のto不定詞)
SVOCと形式目的語it
長い目的語が補語の後ろに移動し、Oの位置にitが収まり、そのitが真の目的語を指し示すイメージです。
見分け方のポイント
文頭の It is ... to do. は形式主語の可能性が高いです。 find it C to do や make it C to do のように、動詞のすぐ後ろに it があり、その後に形容詞や名詞が続き、さらにto不定詞句がある場合は、形式目的語の可能性が高いです。 どちらの it も、後ろのto不定詞句を指しているという共通点を押さえておきましょう。
形式主語・形式目的語のit 練習ドリル
ドリル1:形式主語のitを使って書き換えよう!