to不定詞マスターへの道

2-1: 誰が「~する」のか?【to不定詞のMeaningful Subject

第2章へようこそ!ここでは、to不定詞をもっと詳しく、そして上手に使えるようになるための応用テクニックを学んでいきます。 最初のテーマは「Meaningful Subject (ミーニングフル サブジェクト/意味上の主語)」です。

ちょっと思い出してください。例えば I want to drink water. (私は水が飲みたい) という文では、「水を飲む」のは誰でしょう? そう、この文の主語である「私(I)」ですね。多くの場合、to不定詞の動作をする人(=意味上の主語)は、文全体の主語と同じです。

でも、もし「(私が)あなたに宿題をしてほしい」のように、to不定詞の動作をする人が文の主語と違う場合、どう表現すればいいのでしょうか? そんな時に登場するのが、今日学ぶ「for A to do」や「of A to do」という形なんです。

基本形:for A to do (Aが~すること)

to不定詞の前に「for + 人 (目的格)」を置くことで、「(Aが)~すること」という意味を表すことができます。 この「A」の部分が、to不定詞の動作をする人、つまり意味上の主語になります。 「人」の部分には、me, you, him, her, us, them といった目的格や、Ken, my mother のような具体的な名詞が入ります。 一般的な形容詞(important, difficult, necessary, possible, easy, hardなど)と共に使われることが多いです。

基本構造: ... for A to + 動詞の原形 ...

意味: ... Aが~すること ...

例文 (for A to do)

It is important for you to study English every day.

あなたが毎日英語を勉強することは重要です。

This book is difficult for children to read.

この本は子供たちが読むには難しいです。

Is it possible for him to finish the work by tomorrow?

彼が明日までにその仕事を終えることは可能ですか?

It's necessary for us to save energy.

私たちがエネルギーを節約することは必要です。

The best thing for you to do is to apologize.

あなたがすべき最善のことは謝ることです。(The best thing (which is) for you to do)

It's time for the children to go to bed.

子供たちが寝る時間です。

There is no need for you to worry about it.

あなたがそのことについて心配する必要はありません。

It would be better for him to tell the truth.

彼が真実を話す方が良いでしょう。

This chair is comfortable for me to sit in.

この椅子は私が座るのに快適です。

It's dangerous for anyone to swim in this river.

誰であれこの川で泳ぐのは危険です。

She waited for the rain to stop.

彼女は雨がやむのを待った。(無生物も意味上の主語になれる)

Is there enough time for us to have a coffee?

私たちがコーヒーを飲むのに十分な時間はありますか?

It's impossible for me to forget her smile.

私が彼女の笑顔を忘れることは不可能です。

He arranged for a taxi to pick us up.

彼はタクシーが私たちを迎えに来るように手配した。

The plan is for the team to start training next week.

計画では、チームは来週トレーニングを開始することになっています。

It's unusual for him to be late.

彼が遅刻するなんて珍しい。

What is the best way for me to improve my English?

私が英語を上達させるための最善の方法は何ですか?

It costs a lot for students to study abroad.

学生が留学するには多額の費用がかかります。

There are many opportunities for young people to succeed.

若者が成功するための多くの機会があります。

It's too early for the shops to be open.

店が開くには早すぎる。

「to study」の前に「for you」が置かれ、「あなたが勉強する」という意味のカタマリになるイメージです。

特別ルール:of A to do (Aが~するとは)

意味上の主語を表すのに、for の代わりに of を使う特別な場合があります。 それは、人の性質や性格を評価する形容詞(例: kind, nice, good, clever, wise, foolish, stupid, careless, polite, rude, brave, generous, considerate, thoughtful, silly など)が直前に来る場合です。主に It is ... of A to do. の形で使われます。

特別構造: It is [人の性質を表す形容詞] of A to + 動詞の原形 ...

意味: ~するとはAは[形容詞]だ。

この形は、1-6で学んだ「判断の根拠」を表すto不定詞と関連が深いです。「~するとは、Aは(なんて)…なんだろう」という、話し手の評価のニュアンスになります。

例文 (of A to do)

It is very kind of you to help me.

私を手伝ってくださるとは、あなたはとても親切ですね。

It was foolish of him to say such a thing.

そんなことを言うとは、彼は愚かだった。

How careless of her to make that mistake!

あの間違いをするとは、彼女はなんて不注意なんだろう!

It was nice of them to invite us to dinner.

私たちを夕食に招待してくれるとは、彼らは親切だった。

It's clever of the child to solve the puzzle.

そのパズルを解くとは、その子は賢い。

It was brave of the firefighter to enter the burning house.

燃えている家に入るなんて、その消防士は勇敢だった。

How generous of Mr. Smith to donate so much money!

そんなに多額のお金を寄付するとは、スミス氏はなんて気前がいいんだ!

It was rude of him not to apologize.

謝罪しないとは、彼は失礼だった。(否定の不定詞)

It is wise of you to save money for the future.

将来のためにお金を貯めるなんて、あなたは賢明だ。

It would be considerate of you to lower your voice.

声を下げていただけるとは、あなたは思いやりがありますね。(丁寧な依頼)

How stupid of me to forget my keys!

鍵を忘れるなんて、私はなんて愚かなんだ!

It's polite of children to say "thank you".

「ありがとう」と言うとは、子供たちは礼儀正しい。

It was thoughtful of her to send me a birthday card.

私に誕生日カードを送ってくれるとは、彼女は思いやりがあった。

It was silly of them to argue about such a small thing.

そんな小さなことで口論するなんて、彼らはばかげていた。

Wasn't it good of him to offer his seat?

彼が席を譲ってくれたとは、親切じゃありませんでしたか?

It is characteristic of her to arrive early.

早く到着するとは彼女らしい。(characteristic も of をとる形容詞)

It was wrong of you to lie to your parents.

両親に嘘をつくとは、あなたは間違っていた。

How sweet of him to remember my birthday!

私の誕生日を覚えていてくれるなんて、彼はなんて優しいんだ!

It's very adult of you to apologize first.

先に謝るなんて、あなたはとても大人だ。

It was mean of them to laugh at his mistake.

彼の失敗を笑うとは、彼らは意地悪だった。

使う前置詞どんな時?形容詞の例
for一般的な場合(重要性、難易、必要性、可能性など)important, difficult, necessary, possible, easy, hard, dangerous, unusual, comfortable など
of人の性質・性格・評価を表す場合kind, nice, good, clever, wise, foolish, stupid, careless, polite, rude, brave, generous, considerate, thoughtful, silly, characteristic, wrong, mean など

意味上の主語が必要ない場合

もちろん、常に意味上の主語を明示する必要はありません。

意味上の主語 練習ドリル

ドリル1:for と of、どっちを使う?

...

ドリル2:文を完成させよう!