wish は、edを付けるだけで過去形・過去分詞形になる規則動詞です。活用は非常にシンプルです。
活用形 | 形 | 例文(クリックで発音) |
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原形 (Base Form) | wish | I wish I were rich. |
三単現形 (3rd Person Singular) | wishes | He wishes he had a car. |
過去形 (Past) | wished | She wished for world peace. |
過去分詞形 (Past Participle) | wished | I have often wished for this. |
現在分詞形 (Present Participle) | wishing | Stop wishing and start doing. |
wish をマスターする鍵は、その「非現実的な願望」のイメージを理解し、`hope`との役割分担を意識することです。
wish の本質は、「現実にはそうではないけれど、こうだったらなあ…」という、事実とは異なる世界を心に描くことです。空を飛ぶことを夢見たり、過去の失敗を後悔したり、現在の不満を嘆いたりする、切ない気持ちや空想が`wish`の核心です。
「実現の可能性」で、この2つは明確に使い分けられます。
I hope it will be sunny tomorrow.
(明日、晴れるといいな)I wish it were sunny now.
(今、晴れていたらなあ(現実は雨))`wish`の後ろに文が続く場合、「ありえない世界」の話をするサインとして、動詞の形が一つ過去にずれる「仮定法」が使われます。
「(今は違うけど)〜だったらなあ」という現在の願望は、`wish`に続く文の動詞を過去形にするのが絶対のルールです。
仮定法の特別ルール:
`wish`の後ろのbe動詞は、主語が`I`, `he`, `she`, `it`であっても、`was`ではなく`were`を使うのが正式な形です。(口語では`was`も使われます)
→ `I wish I were a bird.` (私が鳥だったらなあ)
例文:I wish I had a bigger house.
(もっと大きな家があればなあ。)
a bigger house
- 「一軒のより大きな家」。`have`の過去形`had`を使うことで、「今は持っていない」という現実離れした願望を表します。
例文:He wishes he knew her email address.
(彼は彼女のメールアドレスを知っていればなあと思っている。)
her email address
- 所有格で特定。`know`の過去形`knew`を使うことで、「今は知らない」という事実を表します。
「(あの時)〜していたらなあ」という、過去の行動に対する後悔は、`wish`の後ろに過去完了形 (had + 過去分詞) を使います。
例文:I wish I had studied harder for the exam.
(その試験のためにもっと一生懸命勉強していたらなあ。)
the exam
- 特定の試験なので`the`が付きます。
この使い方だけは例外で、仮定法を使いません。「人に物をあげる」の`give 人 物`と同じ形で、「幸運」などを祈る、ポジティブなメッセージとして使われます。
例文:I wish you a Merry Christmas.
(メリークリスマス!)
a Merry Christmas
- 「一つの楽しいクリスマス」という定型的な挨拶です。
例文:We wish you the best of luck in your new job.
(あなたの新しい仕事での幸運を祈っています。)
the best of luck
- 「最高の幸運」。your new job
- 所有格で特定。
お疲れ様でした!`wish`が「ありえない願望」を表す特別な動詞であり、仮定法という文法ルールと密接に結びついていることがお分かりいただけたでしょうか。
`wish`の文法は少し難しいですが、使いこなせると「あの時〜だったらなあ」といった人間味あふれる豊かな表現が可能になります。まずは`I wish I were a bird.`から、この不思議なルールに慣れていきましょう!