wish

ステップ1:動詞wishの活用

wish は、edを付けるだけで過去形・過去分詞形になる規則動詞です。活用は非常にシンプルです。

活用形例文(クリックで発音)
原形 (Base Form)wishI wish I were rich.
三単現形 (3rd Person Singular)wishesHe wishes he had a car.
過去形 (Past)wishedShe wished for world peace.
過去分詞形 (Past Participle)wishedI have often wished for this.
現在分詞形 (Present Participle)wishingStop wishing and start doing.

ステップ2:wishのコアイメージとhopeとの違い

wish をマスターする鍵は、その「非現実的な願望」のイメージを理解し、`hope`との役割分担を意識することです。

wishのコアイメージ:「現実とは違う『ありえないこと』を空想して『願う』」

wish の本質は、「現実にはそうではないけれど、こうだったらなあ…」という、事実とは異なる世界を心に描くことです。空を飛ぶことを夢見たり、過去の失敗を後悔したり、現在の不満を嘆いたりする、切ない気持ちや空想が`wish`の核心です。

最重要: hope と wish の使い分け

「実現の可能性」で、この2つは明確に使い分けられます。

ステップ3:本動詞wishの基本パターン(仮定法が鍵!)

`wish`の後ろに文が続く場合、「ありえない世界」の話をするサインとして、動詞の形が一つ過去にずれる「仮定法」が使われます。

① 現在の「ありえない願望」:I wish + 過去形(最重要ルール)

「(今は違うけど)〜だったらなあ」という現在の願望は、`wish`に続く文の動詞を過去形にするのが絶対のルールです。

仮定法の特別ルール:
`wish`の後ろのbe動詞は、主語が`I`, `he`, `she`, `it`であっても、`was`ではなく`were`を使うのが正式な形です。(口語では`was`も使われます)
→ `I wish I were a bird.` (私が鳥だったらなあ)

例文:I wish I had a bigger house. (もっと大きな家があればなあ。)

冠詞ルール: a bigger house - 「一軒のより大きな家」。`have`の過去形`had`を使うことで、「今は持っていない」という現実離れした願望を表します。

例文:He wishes he knew her email address. (彼は彼女のメールアドレスを知っていればなあと思っている。)

冠詞ルール: her email address - 所有格で特定。`know`の過去形`knew`を使うことで、「今は知らない」という事実を表します。

② 過去への「後悔」:I wish + 過去完了形 (had + p.p.)

「(あの時)〜していたらなあ」という、過去の行動に対する後悔は、`wish`の後ろに過去完了形 (had + 過去分詞) を使います。

例文:I wish I had studied harder for the exam. (その試験のためにもっと一生懸命勉強していたらなあ。)

冠詞ルール: the exam - 特定の試験なので`the`が付きます。

③ [人]に[幸運など]を祈る

この使い方だけは例外で、仮定法を使いません。「人に物をあげる」の`give 人 物`と同じ形で、「幸運」などを祈る、ポジティブなメッセージとして使われます。

例文:I wish you a Merry Christmas. (メリークリスマス!)

冠詞ルール: a Merry Christmas - 「一つの楽しいクリスマス」という定型的な挨拶です。

例文:We wish you the best of luck in your new job. (あなたの新しい仕事での幸運を祈っています。)

冠詞ルール: the best of luck - 「最高の幸運」。your new job - 所有格で特定。

まとめ:wishマスターへの最終確認

お疲れ様でした!`wish`が「ありえない願望」を表す特別な動詞であり、仮定法という文法ルールと密接に結びついていることがお分かりいただけたでしょうか。

`wish`の文法は少し難しいですが、使いこなせると「あの時〜だったらなあ」といった人間味あふれる豊かな表現が可能になります。まずは`I wish I were a bird.`から、この不思議なルールに慣れていきましょう!