want

ステップ1:動詞wantの活用

want は、edを付けるだけで過去形・過去分詞形になる規則動詞です。活用は非常にシンプルです。

活用形例文(クリックで発音)
原形 (Base Form)wantI want a new car.
三単現形 (3rd Person Singular)wantsShe wants to be a singer.
過去形 (Past)wantedHe wanted to see you.
過去分詞形 (Past Participle)wantedI have always wanted this.
現在分詞形 (Present Participle)wantingThe report was found wanting.

ステップ2:wantのコアイメージと最重要ルール

want をマスターする鍵は、それが「動作」ではなく「心の状態」を表す動詞だと理解することです。

wantのコアイメージ:「自分に欠けているものを『欲する』気持ち」

want の本質は、自分に足りないものや、手に入れたいものに対して、「欲しいなあ」という気持ちが心の中に存在している「状態」です。何かを欲しがっているという、心のあり方を表します。

最重要ルール: wantは「状態動詞」→ 進行形にしない!

「欲しがっている」は継続的な心の状態なので、「欲しがっている最中です」という意味の`I am wanting...`という進行形には、原則としてなりません。

これは`know`や`like`などと同じ「状態動詞」のルールです。

ステップ3:本動詞wantの3つの基本パターン

「何を」欲しているのかによって、`want`の後ろに来る形が決まります。この3つのパターンが全てです。

① want + [名詞]:〜が欲しい

物や事柄など、具体的な名詞が「欲しい」と表現する、最も基本的な使い方です。

例文:He wants a new pair of shoes. (彼は新しい靴を欲しがっている。)

冠詞ルール: a new pair of shoes - `pair`は「一足、一組」という単位を表す名詞で、「ある一足」なので不定冠詞`a`が付きます。

例文:I want some information about the tour. (そのツアーに関する情報が欲しいです。)

冠詞ルール: some information - `information`は数えられない名詞(不可算名詞)なので、「いくらかの情報」という意味で`some`が使われます。`the tour` - 特定のツアーなので`the`が付きます。

② want + to do:〜したい(最重要パターン)

「〜すること」という行動を「したい」と願う、非常に重要な使い方です。`want`の後ろに動詞が続く場合は、必ず`to do`(不定詞)の形になります。

絶対ルール: `want`の後ろの動詞は必ず`to do`の形!
→ 正:`I want to go abroad.` (海外へ行きたい)
→ 誤:`I want going abroad.`

例文:I want to learn another language. (私はもう一つの言語を学びたい。)

冠詞ルール: another language - 「もう一つの(別の)言語」という意味。`language`は数えられる名詞です。

③ want + [人] + to do:(人)に〜してほしい(最重要パターン)

自分以外の誰かに、何か具体的な行動をして「ほしい」と願う使い方です。`want O to do`の形で、「Oに〜してほしい」と覚えましょう。

例文:My parents want me to study medicine. (私の両親は私に医学を勉強してほしいと思っている。)

冠詞ルール: My parents - 所有格で特定。`medicine` - 「医学」という学問の分野なので冠詞は付きません。

例文:I want you to be honest with me. (私はあなたに、私に対して正直であってほしい。)

冠詞ルール: `you`, `me`は代名詞なので冠詞は不要です。

ステップ4:ニュアンスの違い:wantとhope

`want`が直接的な願望を表すのに対し、未来の出来事に対する「〜だといいな」という期待を込めた願いには`hope`を使います。

want (直接的な願望): I want to see you soon. (早く君に会いたい。)

解説: 「会いたい」という自分の強い気持ちをストレートに表現しています。

hope (未来への期待): I hope to see you soon. / I hope I can see you soon. (近いうちに会えるといいな。)

解説: 「会える」という未来の出来事が実現することを「期待して願っている」というニュアンスです。`want`よりも控えめで、相手の都合も考慮した響きになります。

まとめ:wantマスターへの最終確認

お疲れ様でした!`want`が、自分の「願望」を表現するための、シンプルかつ強力な動詞であることがお分かりいただけたでしょうか。

この3つの構文は、英語で自分の意思を伝えるための土台となります。あなたが「欲しいもの」「したいこと」「してほしいこと」を、ぜひ`want`を使って表現する練習をしてみてください!