tell — 「伝える」という意味で、`say`と並ぶコミュニケーションの基本動詞です。しかし、この2つの使い分けは英語学習における最大の関門の一つ。「`say`と`tell`、どっちを使えばいいの?」という疑問を、このページで完全に解消します。
tellのコアイメージは「相手に情報を手渡す」こと。このイメージを元に、`say`との文法的な違い、そして`tell`が持つユニークな意味まで、冠詞ルール解説付きで徹底的に掘り下げていきます!
tell も不規則動詞です。過去形と過去分詞形が同じ told になることをしっかり覚えましょう。
活用形 | 形 | 例文(クリックで発音) |
---|---|---|
原形 (Base Form) | tell | Please tell me. |
三単現形 (3rd Person Singular) | tells | He always tells interesting stories. |
過去形 (Past) | told | I told him the truth. |
過去分詞形 (Past Participle) | told | I have told you many times. |
現在分詞形 (Present Participle) | telling | What are you telling her? |
tell をマスターする鍵は、「誰に」伝えるかに焦点を当てるコアイメージと、`say`との文の形の根本的な違いを理解することです。
tell の本質は、ある情報を、特定の相手に向かって「手渡す」イメージです。そのため、情報の「内容(say)」よりも、「聞き手(相手)」の存在が常に強く意識されます。これが、tellの後ろにすぐ「人」が来る理由です。
この2つの使い分けは、後ろに来る文の形で100%決まります。
結論:「tell me = say to me」と、形で覚えてしまうのが最強の攻略法です。
tellが持つ3つの主要な使い方を、冠詞ルールと共に見ていきましょう。
誰かに特定の情報、物語、冗談などを話して聞かせる、最も基本的な使い方です。
例文:Can you tell me the way to the station?
(駅までの道を教えてくれませんか?)
the way
- 「その道順」という特定の情報。the station
- 話題になっている特定の駅。どちらも特定されているため`the`が付きます。
例文:My grandfather often told us interesting stories.
(私の祖父はよく私たちに面白い話をしてくれた。)
interesting stories
- `story`は数えられる名詞で、ここでは複数形`stories`になっています。不特定の「面白い話」なので冠詞は付きません。
誰かに何かをするように「指示する」「命じる」使い方です。`make`ほどの強制力はありませんが、上から下へのニュアンスを持つことがあります。
例文:The doctor told me to get enough sleep.
(医者は私に十分な睡眠をとるように言った。)
The doctor
- 診察してくれた特定の医者。enough sleep
- `sleep`は不可算名詞で、`enough`(十分な)という量を示す語が付いているため冠詞は不要です。
例文:I told my son not to run in the restaurant.
(私は息子にレストランで走らないように言った。)
my son
- 所有格で特定。the restaurant
- その時いた特定のレストラン。
`say`にはない、`tell`の特別な意味です。二つのものの違いを「見分ける」や、状況から何かを「判断してわかる」というニュアンスで使われます。
例文:Can you tell the difference between these two bags?
(これら2つのカバンの違いが分かりますか?)
the difference
- 「(比較対象である)二つのものの間の、その違い」という特定のものを指すため`the`が付きます。
例文:I can tell you're tired from the look on your face.
(あなたの顔の表情から、疲れているのがわかります。)
the look
- 「その表情」という特定のもの。your face
- 所有格で特定。
tellは会話を円滑にする多くの決まり文句で使われます。
例文:To tell you the truth, I don't like my job.
(実を言うと、私は自分の仕事が好きではありません。)
the truth
- 「真実」という、この世に一つしかない絶対的な概念として`the`が付きます。my job
- 所有格で特定。
例文:"He failed the exam." "I told you so."
(「彼、試験に落ちたんだって」「だから言ったじゃないか」)
the exam
- 話題の特定の試験。「I told you so.」は定型句です。
例文:Only time will tell.
(時が経てばわかるさ。)
time
- 一般的な「時間」という概念なので冠詞は付きません。「Only time will tell」は「結果は時のみぞ知る」という意味の定型句です。
お疲れ様でした!`tell`は「相手」を意識したコミュニケーション動詞であることが、お分かりいただけたでしょうか。
これからは、何かを「言う」とき、「誰に言うのかを強調したいか?」を自問自答してみてください。答えが「イエス」なら、あなたの口から自然と`tell`が出てくるはずです!