tell

tell — 「伝える」という意味で、`say`と並ぶコミュニケーションの基本動詞です。しかし、この2つの使い分けは英語学習における最大の関門の一つ。「`say`と`tell`、どっちを使えばいいの?」という疑問を、このページで完全に解消します。

tellのコアイメージは「相手に情報を手渡す」こと。このイメージを元に、`say`との文法的な違い、そして`tell`が持つユニークな意味まで、冠詞ルール解説付きで徹底的に掘り下げていきます!

ステップ1:動詞tellの不規則活用

tell も不規則動詞です。過去形と過去分詞形が同じ told になることをしっかり覚えましょう。

活用形例文(クリックで発音)
原形 (Base Form)tellPlease tell me.
三単現形 (3rd Person Singular)tellsHe always tells interesting stories.
過去形 (Past)toldI told him the truth.
過去分詞形 (Past Participle)toldI have told you many times.
現在分詞形 (Present Participle)tellingWhat are you telling her?

ステップ2:tellのコアイメージとsayとの決定的な違い

tell をマスターする鍵は、「誰に」伝えるかに焦点を当てるコアイメージと、`say`との文の形の根本的な違いを理解することです。

tellのコアイメージ:「話し相手に『情報を手渡す』こと」

tell の本質は、ある情報を、特定の相手に向かって「手渡す」イメージです。そのため、情報の「内容(say)」よりも、「聞き手(相手)」の存在が常に強く意識されます。これが、tellの後ろにすぐ「人」が来る理由です。

最重要: say と tell の文法的な違い

この2つの使い分けは、後ろに来る文の形で100%決まります。

結論:「tell me = say to me」と、形で覚えてしまうのが最強の攻略法です。

ステップ3:本動詞tellの基本パターン

tellが持つ3つの主要な使い方を、冠詞ルールと共に見ていきましょう。

① tell + 人 + [内容]:(人)に[内容]を伝える

誰かに特定の情報、物語、冗談などを話して聞かせる、最も基本的な使い方です。

例文:Can you tell me the way to the station? (駅までの道を教えてくれませんか?)

冠詞ルール: the way - 「その道順」という特定の情報。the station - 話題になっている特定の駅。どちらも特定されているため`the`が付きます。

例文:My grandfather often told us interesting stories. (私の祖父はよく私たちに面白い話をしてくれた。)

冠詞ルール: interesting stories - `story`は数えられる名詞で、ここでは複数形`stories`になっています。不特定の「面白い話」なので冠詞は付きません。

② tell + 人 + to do:(人)に〜するよう言う(指示・命令)

誰かに何かをするように「指示する」「命じる」使い方です。`make`ほどの強制力はありませんが、上から下へのニュアンスを持つことがあります。

例文:The doctor told me to get enough sleep. (医者は私に十分な睡眠をとるように言った。)

冠詞ルール: The doctor - 診察してくれた特定の医者。enough sleep - `sleep`は不可算名詞で、`enough`(十分な)という量を示す語が付いているため冠詞は不要です。

例文:I told my son not to run in the restaurant. (私は息子にレストランで走らないように言った。)

冠詞ルール: my son - 所有格で特定。the restaurant - その時いた特定のレストラン。

③ 見分ける・わかる(区別する)

`say`にはない、`tell`の特別な意味です。二つのものの違いを「見分ける」や、状況から何かを「判断してわかる」というニュアンスで使われます。

例文:Can you tell the difference between these two bags? (これら2つのカバンの違いが分かりますか?)

冠詞ルール: the difference - 「(比較対象である)二つのものの間の、その違い」という特定のものを指すため`the`が付きます。

例文:I can tell you're tired from the look on your face. (あなたの顔の表情から、疲れているのがわかります。)

冠詞ルール: the look - 「その表情」という特定のもの。your face - 所有格で特定。

ステップ4:tellを使った頻出表現

tellは会話を円滑にする多くの決まり文句で使われます。

例文:To tell you the truth, I don't like my job. (実を言うと、私は自分の仕事が好きではありません。)

冠詞ルール: the truth - 「真実」という、この世に一つしかない絶対的な概念として`the`が付きます。my job - 所有格で特定。

例文:"He failed the exam." "I told you so." (「彼、試験に落ちたんだって」「だから言ったじゃないか」)

冠詞ルール: the exam - 話題の特定の試験。「I told you so.」は定型句です。

例文:Only time will tell. (時が経てばわかるさ。)

冠詞ルール: time - 一般的な「時間」という概念なので冠詞は付きません。「Only time will tell」は「結果は時のみぞ知る」という意味の定型句です。

まとめ:tellマスターへの最終確認

お疲れ様でした!`tell`は「相手」を意識したコミュニケーション動詞であることが、お分かりいただけたでしょうか。

これからは、何かを「言う」とき、「誰に言うのかを強調したいか?」を自問自答してみてください。答えが「イエス」なら、あなたの口から自然と`tell`が出てくるはずです!