say — 「言う」という意味で、コミュニケーションの基本となる最重要動詞の一つです。しかし、同じ「言う」でも`tell`との使い分けが非常に紛らわしく、多くの学習者が「`say me`って言えないのはなぜ?」という疑問に直面します。
このページでは、sayのコアイメージを掴み、その文法的な構造、そして最大の壁であるtellとの使い分けを完璧にマスターします。もちろん、全ての例文に冠詞ルールの詳しい解説付きです!
say は不規則動詞です。特に三単現形のsaysと過去形のsaidは、発音が大きく変化する点に注意が必要です。
活用形 | 形 | 発音 | 例文(クリックで発音) |
---|---|---|---|
原形 (Base Form) | say | /seɪ/ (セイ) | What did you say? |
三単現形 (3rd Person Singular) | says | /sez/ (セズ) | He says he's busy. |
過去形 (Past) | said | /sed/ (セッド) | She said nothing. |
過去分詞形 (Past Participle) | said | /sed/ (セッド) | It is said that... |
現在分詞形 (Present Participle) | saying | /ˈseɪɪŋ/ (セイイング) | I'm just saying. |
発音注意!: saysは「セイズ」ではなく「セズ」、saidは「セイド」ではなく「セッド」と発音します。これは英語の基本的なルールなので、必ず覚えましょう。
say をマスターする鍵は、「何を」言うかに焦点を当てるコアイメージと、`tell`との文の形の根本的な違いを理解することです。
say の本質は、口から出る「言葉そのもの」や「発言の内容」に焦点が当たっていることです。誰かに情報を「伝える」という相手への方向性よりも、まず「こういう言葉が出た」という事実を示します。
この2つの使い分けは、後ろに来る文の形で決まります。
「`say to me` = `tell me`」と、形で覚えてしまうのが最も効果的です。
sayの後ろに何が来るかで、文の形が決まります。
「言った内容そのもの」を続ける、最も基本的な使い方です。
例文:The doctor said, "You need a good rest."
(医者は「十分な休息が必要ですよ」と言った。)
a good rest
- `rest`は通常不可算名詞ですが、「一回分の十分な休息」という塊として捉える場合に`a`が付くことがあります。
例文:He said that he would call me back.
(彼は私に折り返し電話すると言った。)
「誰に」言ったかを明確にする場合は、必ず前置詞`to`が必要です。
例文:What did you say to the teacher?
(先生に何を言ったのですか?)
the teacher
- 話し手と聞き手の間で共通認識のある「その先生」なので定冠詞`the`が付きます。
例文:She didn't say a word about the plan.
(彼女はその計画について一言も言わなかった。)
a word
- `not ... a single word`で「一言も〜ない」という強調表現。`the plan` - 話題になっている特定の計画なので`the`が付きます。
人以外のものが主語になり、書かれた内容や示された情報を「〜と言っている」と表現する、比喩的な使い方です。
例文:The sign says "Keep Out".
(その標識には「立入禁止」と書いてある。)
The sign
- 目にしている特定の標識なので`the`が付きます。
例文:What does the clock say?
(時計は何時ですか?)
the clock
- 特定の時計を指しています。
sayは会話を豊かにする多くの決まり文句で使われます。
例文:Needless to say, health is the most important thing.
(言うまでもなく、健康が最も大切なことです。)
health
, the most important thing
- 一般論としての「健康」は不可算名詞で冠詞なし。`the most important thing`は最上級で「最も重要なこと」と特定されるため`the`が付きます。
例文:"This curry is delicious!" "You can say that again!"
(「このカレー美味しい!」「本当にその通りだね!」)
例文:I can't say for sure, but I think he will come.
(はっきりとは言えませんが、彼は来ると思います。)
お疲れ様でした!sayとtellの違いは、英語の文型を理解する上で非常に良いトレーニングになります。
これからは、誰かが「〜と言った」という文を作るとき、「言った相手を動詞の直後に置きたいか?」と考えてみてください。置きたいなら`tell`、置きたくない(または`to`を付けたい)なら`say`です。この判断が、あなたを`say`マスターへと導きます!