まずは全体像を掴みましょう。使役動詞は「強制力の強さ」と「O(目的語)の後の動詞の形」で区別するのが最も効率的です。
動詞 | コアイメージ | 強制力 | 構文:Oの後の形 |
---|---|---|---|
make | 強制 | ★★★★★(高) | 動詞の原形 |
have | 依頼・義務 | ★★★☆☆(中) | 動詞の原形 |
get | 説得・お願い | ★★☆☆☆(やや低) | to + 動詞の原形 |
let | 許可 | ☆☆☆☆☆(ゼロ) | 動詞の原形 |
help | 手伝い | (協力) | 動詞の原形 or to + 動詞の原形 |
ポイントは、get だけが to を使うこと、そして help は両方OKだということです。これを念頭に、一つずつ詳しく見ていきましょう。
マップの順番に沿って、各動詞のニュアンスと使い方を例文カードで体に叩き込みましょう。
構文:make + O + 動詞の原形
相手の意思に関わらず、強制的に何かをさせるイメージ。有無を言わさぬ強い力を感じさせます。これは以前のページで詳しく解説しましたね。
構文:have + O + 動詞の原形
haveのコアイメージは「依頼・義務」。お金を払ってサービスを受ける(客と店員)、指示を出す(上司と部下)など、その関係性において当然の義務として「〜してもらう」というニュアンスです。強制ではありませんが、断られることは想定していません。
「〜してもらう」というサービスに焦点を当てた、超重要構文です。「(誰かは分からないが)〜された」という被害を表すこともあります。
構文:get + O + "to" + 動詞の原形
getのコアイメージは「説得・お願い」。相手に働きかけ、説得したり、お願いしたりして「なんとか〜してもらう」というニュアンスです。haveよりも努力の過程が感じられます。
最重要文法ルール:主要な使役動詞の中で、getだけが O の後に to不定詞 を使います! これは絶対に覚えましょう。
構文:let + O + 動詞の原形
強制力ゼロ。「相手がしたいことを許す・させてあげる」という許可のイメージ。これも復習ですね。
構文:help + O + 動詞の原形
or help + O + "to" + 動詞の原形
これは「準使役動詞」と呼ばれます。「Oが〜するのを手伝う」という意味です。Oの後の動詞は、原形でもto不定詞でもOKですが、現代英語(特に米英語)では原形が好まれる傾向にあります。
お疲れ様でした!これであなたは使役動詞の全体像を完全に把握しました。最後に、頭を整理するための質問で最終確認しましょう。
make O do
let O do
have O do
get O to do
(toが必要!)help O do
(or to do
)この感覚の違いを意識しながら、たくさんの英語に触れてみてください。映画やドラマで使役動詞が出てきたときに、「ああ、このニュアンスだからこの動詞を使っているんだな」と感じられるようになれば、あなたはもう使役動詞マスターです!