使役動詞

ステップ1:使役動詞の全体像マップ

まずは全体像を掴みましょう。使役動詞は「強制力の強さ」と「O(目的語)の後の動詞の形」で区別するのが最も効率的です。

使役動詞 使い分けマップ

動詞コアイメージ強制力構文:Oの後の形
make強制★★★★★(高)動詞の原形
have依頼・義務★★★☆☆(中)動詞の原形
get説得・お願い★★☆☆☆(やや低)to + 動詞の原形
let許可☆☆☆☆☆(ゼロ)動詞の原形
help手伝い(協力)動詞の原形 or to + 動詞の原形

ポイントは、get だけが to を使うこと、そして help は両方OKだということです。これを念頭に、一つずつ詳しく見ていきましょう。

ステップ2:各使役動詞の徹底解説

マップの順番に沿って、各動詞のニュアンスと使い方を例文カードで体に叩き込みましょう。

① make (強制的に〜させる)

構文:make + O + 動詞の原形
相手の意思に関わらず、強制的に何かをさせるイメージ。有無を言わさぬ強い力を感じさせます。これは以前のページで詳しく解説しましたね。

② have (当然のこととして〜してもらう)

構文:have + O + 動詞の原形
haveのコアイメージは「依頼・義務」。お金を払ってサービスを受ける(客と店員)、指示を出す(上司と部下)など、その関係性において当然の義務として「〜してもらう」というニュアンスです。強制ではありませんが、断られることは想定していません。

発展:have O 過去分詞

「〜してもらう」というサービスに焦点を当てた、超重要構文です。「(誰かは分からないが)〜された」という被害を表すこともあります。

③ get (説得して〜してもらう)

構文:get + O + "to" + 動詞の原形
getのコアイメージは「説得・お願い」。相手に働きかけ、説得したり、お願いしたりして「なんとか〜してもらう」というニュアンスです。haveよりも努力の過程が感じられます。

最重要文法ルール:主要な使役動詞の中で、getだけが O の後に to不定詞 を使います! これは絶対に覚えましょう。

④ let (許可して〜させてあげる)

構文:let + O + 動詞の原形
強制力ゼロ。「相手がしたいことを許す・させてあげる」という許可のイメージ。これも復習ですね。

⑤ help (手伝って〜するのを助ける)

構文:help + O + 動詞の原形 or help + O + "to" + 動詞の原形
これは「準使役動詞」と呼ばれます。「Oが〜するのを手伝う」という意味です。Oの後の動詞は、原形でもto不定詞でもOKですが、現代英語(特に米英語)では原形が好まれる傾向にあります。

まとめ:使役動詞マスターへの最終確認

お疲れ様でした!これであなたは使役動詞の全体像を完全に把握しました。最後に、頭を整理するための質問で最終確認しましょう。

この感覚の違いを意識しながら、たくさんの英語に触れてみてください。映画やドラマで使役動詞が出てきたときに、「ああ、このニュアンスだからこの動詞を使っているんだな」と感じられるようになれば、あなたはもう使役動詞マスターです!