know — 「知っている」という意味で、私たちの知識や経験を表すのに欠かせない動詞です。しかし、この動詞には「進行形にしない」という鉄則や、`know about` / `know of` / `know how to` といった、後ろに続く言葉で意味が微妙に変わる、非常に重要なルールが存在します。
このページでは、knowのコアイメージを掴み、その文法的なルールと使い方を完全にマスターします。もちろん、全ての例文に冠詞ルールの詳しい解説付きです!
know も不規則動詞です。過去形knew、過去分詞形knownの形をしっかり覚えましょう。
活用形 | 形 | 例文(クリックで発音) |
---|---|---|
原形 (Base Form) | know | I need to know the truth. |
三単現形 (3rd Person Singular) | knows | Everyone knows him. |
過去形 (Past) | knew | I knew you could do it. |
過去分詞形 (Past Participle) | known | He is known as a great artist. |
現在分詞形 (Present Participle) | knowing | Knowing the risks, he proceeded. |
発音注意!: 原形のknowや過去分詞形のknownの最初の`k`は発音しません(黙字)。
know をマスターする鍵は、それが「動作」ではなく「状態」を表す動詞だと理解することです。
know の本質は、情報や経験、技能などが、すでに自分の知識として頭の中に「ファイルされている状態」です。`think`(考える)や`learn`(学ぶ)のような「動作」とは違い、`know`は知識を「持っている」という静的な状態を表します。
「知っている」は継続的な状態なので、「知っている最中です」という意味の`I am knowing...`という進行形には、原則としてなりません。
もし誰かと「知り合っていく過程」を言いたい場合は、`get to know`という表現を使います。(例:`I am getting to know my new colleagues.`)
「知っている」対象によって、後ろに続く形や前置詞が変わります。
「知っている」深さによって、これらの表現を使い分けます。
know [人・場所]: 直接会ったことがある、行ったことがあるなど、個人的な経験や面識がある場合に使う。「(人と)知り合いである」。
know about [話題・人]: 直接の面識はなくても、そのテーマや人物に関する情報を「知識として知っている」。
know of [人・場所]: 「名前だけは聞いたことがある」程度の、最も浅い知識レベル。
例文:I know a good place to eat around here.
(この辺りで食事をするのに良い場所を知っていますよ。)
a good place
- 「(たくさんある中の)ある一つの良い場所」という不特定のものを指すため、不定冠詞`a`が付きます。
例文:I don't know much about the history of this town.
(私はこの町の歴史についてあまり詳しくありません。)
the history of this town
- 「この町の歴史」という、特定された一つの事柄なので`the`が付きます。
特定の情報や事実を知っている場合、`that`や`what`などの接続詞・疑問詞を使って、知っている内容を文で続けます。
例文:I know that he is an honest man.
(私は彼が正直な男性だと知っています。)
an honest man
- `honest`は母音で始まるため、不定冠詞は`a`ではなく`an`になります。「一人の正直な男性」という不特定の人を指します。
例文:Do you know where the nearest subway station is?
(一番近い地下鉄の駅がどこか知っていますか?)
the nearest subway station
- `nearest`(最も近い)という最上級で特定されているため、定冠詞`the`が付きます。
泳ぎ方、料理の仕方、機械の使い方など、具体的な技能や方法を「身につけている」ことを表す、非常に重要な構文です。
例文:She knows how to bake a delicious apple pie.
(彼女は美味しいアップルパイの焼き方を知っている。)
a delicious apple pie
- 「一つの美味しいアップルパイ」という不特定のものを指します。
例文:I don't know how to solve this math problem.
(この数学の問題の解き方が分かりません。)
this math problem
- 「この」という指示詞で特定されています。
knowは会話の潤滑油として、多くの決まり文句で使われます。
例文:"It's really hot today." "I know, right?"
(「今日、本当に暑いね」「ね、ほんとそう思う」)
例文:Please let me know if you need any help.
(もし何か助けが必要なら、私に知らせてください。)
例文:He is, you know, a little strange.
(彼は、その、なんていうか、少し変わっているんだ。)
お疲れ様でした!`know`が「状態」を表す動詞であり、使い方にいくつかの重要なルールがあることがお分かりいただけたでしょうか。
これらのポイントを押さえれば、あなたはもう`know`を自信を持って使えます。自分が何を知っているか、ぜひ`know`を使って表現してみてください!