know

know — 「知っている」という意味で、私たちの知識や経験を表すのに欠かせない動詞です。しかし、この動詞には「進行形にしない」という鉄則や、`know about` / `know of` / `know how to` といった、後ろに続く言葉で意味が微妙に変わる、非常に重要なルールが存在します。

このページでは、knowのコアイメージを掴み、その文法的なルールと使い方を完全にマスターします。もちろん、全ての例文に冠詞ルールの詳しい解説付きです!

ステップ1:動詞knowの不規則活用

know も不規則動詞です。過去形knew、過去分詞形knownの形をしっかり覚えましょう。

活用形例文(クリックで発音)
原形 (Base Form)knowI need to know the truth.
三単現形 (3rd Person Singular)knowsEveryone knows him.
過去形 (Past)knewI knew you could do it.
過去分詞形 (Past Participle)knownHe is known as a great artist.
現在分詞形 (Present Participle)knowingKnowing the risks, he proceeded.

発音注意!: 原形のknowや過去分詞形のknownの最初の`k`は発音しません(黙字)。

ステップ2:knowのコアイメージと最重要ルール

know をマスターする鍵は、それが「動作」ではなく「状態」を表す動詞だと理解することです。

knowのコアイメージ:「情報や概念が、すでに『頭の中に入っている』状態」

know の本質は、情報や経験、技能などが、すでに自分の知識として頭の中に「ファイルされている状態」です。`think`(考える)や`learn`(学ぶ)のような「動作」とは違い、`know`は知識を「持っている」という静的な状態を表します。

最重要ルール: knowは「状態動詞」→ 進行形にしない!

「知っている」は継続的な状態なので、「知っている最中です」という意味の`I am knowing...`という進行形には、原則としてなりません。

もし誰かと「知り合っていく過程」を言いたい場合は、`get to know`という表現を使います。(例:`I am getting to know my new colleagues.`)

ステップ3:本動詞knowの基本パターン

「知っている」対象によって、後ろに続く形や前置詞が変わります。

① know / know about / know of:〜を知っている

「知っている」深さによって、これらの表現を使い分けます。

know, know about, know of のニュアンス

know [人・場所]: 直接会ったことがある、行ったことがあるなど、個人的な経験や面識がある場合に使う。「(人と)知り合いである」。
know about [話題・人]: 直接の面識はなくても、そのテーマや人物に関する情報を「知識として知っている」。
know of [人・場所]: 「名前だけは聞いたことがある」程度の、最も浅い知識レベル。

例文:I know a good place to eat around here. (この辺りで食事をするのに良い場所を知っていますよ。)

冠詞ルール: a good place - 「(たくさんある中の)ある一つの良い場所」という不特定のものを指すため、不定冠詞`a`が付きます。

例文:I don't know much about the history of this town. (私はこの町の歴史についてあまり詳しくありません。)

冠詞ルール: the history of this town - 「この町の歴史」という、特定された一つの事柄なので`the`が付きます。

② know + that/what/where...:〜ということを知っている

特定の情報や事実を知っている場合、`that`や`what`などの接続詞・疑問詞を使って、知っている内容を文で続けます。

例文:I know that he is an honest man. (私は彼が正直な男性だと知っています。)

冠詞ルール: an honest man - `honest`は母音で始まるため、不定冠詞は`a`ではなく`an`になります。「一人の正直な男性」という不特定の人を指します。

例文:Do you know where the nearest subway station is? (一番近い地下鉄の駅がどこか知っていますか?)

冠詞ルール: the nearest subway station - `nearest`(最も近い)という最上級で特定されているため、定冠詞`the`が付きます。

③ know how to do:〜のやり方を知っている(技能)

泳ぎ方、料理の仕方、機械の使い方など、具体的な技能や方法を「身につけている」ことを表す、非常に重要な構文です。

例文:She knows how to bake a delicious apple pie. (彼女は美味しいアップルパイの焼き方を知っている。)

冠詞ルール: a delicious apple pie - 「一つの美味しいアップルパイ」という不特定のものを指します。

例文:I don't know how to solve this math problem. (この数学の問題の解き方が分かりません。)

冠詞ルール: this math problem - 「この」という指示詞で特定されています。

ステップ4:knowを使った頻出表現

knowは会話の潤滑油として、多くの決まり文句で使われます。

例文:"It's really hot today." "I know, right?" (「今日、本当に暑いね」「ね、ほんとそう思う」)

冠詞ルール: `I know, right?`は、相手の意見に強く同意する際の定型句です。

例文:Please let me know if you need any help. (もし何か助けが必要なら、私に知らせてください。)

冠詞ルール: `any help` - `help`は不可算名詞で、「いくらかの助け」というニュアンスで`any`が使われています。

例文:He is, you know, a little strange. (彼は、その、なんていうか、少し変わっているんだ。)

冠詞ルール: `you know`は、言葉に詰まった時や、相手の注意を引く時に使われる「ええっと、あのね」のようなフィラー(つなぎ言葉)です。

まとめ:knowマスターへの最終確認

お疲れ様でした!`know`が「状態」を表す動詞であり、使い方にいくつかの重要なルールがあることがお分かりいただけたでしょうか。

これらのポイントを押さえれば、あなたはもう`know`を自信を持って使えます。自分が何を知っているか、ぜひ`know`を使って表現してみてください!