hear

ステップ1:動詞hearの不規則活用

hear は不規則動詞です。過去形と過去分詞形が同じ heard になります。発音に注意しましょう。

活用形発音例文(クリックで発音)
原形 (Base Form)hear/hɪər/ (ヒア)I can't hear you.
三単現形 (3rd Person Singular)hears/hɪərz/ (ヒアーズ)She hears a noise.
過去形 (Past)heard/hɜːrd/ (ハード)I heard a rumor.
過去分詞形 (Past Participle)heard/hɜːrd/ (ハード)Have you heard the news?
現在分詞形 (Present Participle)hearing/ˈhɪərɪŋ/ (ヒアリング)I'm hearing strange noises.

発音注意!: 過去形・過去分詞形のheardは、`ear`の部分を「アー」のように発音し、「ハード」に近い音になります。`e`のスペルに惑わされないようにしましょう。

ステップ2:hearのコアイメージとlistenとの違い

hear をマスターする鍵は、その「意図しない、自然な知覚」のイメージを理解し、`listen`との役割分担を意識することです。

hearのコアイメージ:「音が自然と『耳に入ってくる』状態」

hear の本質は、意識的に耳を傾ける(`listen`)のではなく、聴覚に問題がなければ、音が勝手に耳に届いてくるという、受動的な知覚の状態です。`see`が「視界に入る」のに対応し、`hear`は「聴界に入る」と考えると分かりやすいです。そのため、`can`と共に使われることが非常に多いです。

最重要: hear と listen (to) の違い

この2つの違いは、「無意識」か「意識的」か、で決まります。

ステップ3:本動詞hearの基本パターン

「聞こえる」というコアイメージが、様々な状況でどのように使われるか見ていきましょう。

① [音]が聞こえる

物音や声などが、自然と耳に入ってくる基本的な使い方です。

例文:Can you hear the sound of the rain? (雨の音が聞こえますか?)

冠詞ルール: the sound of the rain - 「その雨の音」と特定されているため`the`が付きます。

例文:I thought I heard someone call my name. (誰かが私の名前を呼ぶのが聞こえた気がした。)

冠詞ルール: someoneは代名詞。my nameは所有格で特定。

② 〜について聞く、知る

ニュースや噂などを、人から伝え聞く、という「情報を耳にする」使い方です。

hear + 前置詞の使い分け

hear that [文]: 「〜という内容」を(直接・間接に)聞く。
hear about [話題]: 「〜というテーマ」について、その存在や概要を聞く。
hear from [人]: 「〜から」便りがある(手紙・電話・メールなど)。

例文:I heard that he passed the exam. (彼が試験に合格したと聞きました。)

冠詞ルール: the exam - 話題になっている特定の試験なので`the`。

例文:Have you heard about the new restaurant downtown? (街にできた新しいレストランについて聞きましたか?)

冠詞ルール: the new restaurant - 特定の新しいレストラン。

③ hear O do / doing (知覚動詞の構文)

`see O do/doing`と同様に、「Oが〜するのが聞こえる」という構文を作ることができます。

do vs doing のニュアンス

hear O do (原形): Oが〜するのを最初から最後まで「全部聞こえた」というニュアンス。
hear O doing (-ing形): Oが〜している最中の「一場面が聞こえた」というニュアンス。

例文:I heard a bird sing outside my window. (窓の外で鳥が歌うのが(一曲全部)聞こえた。)

冠詞ルール: a bird - 不特定の「一羽の鳥」。my window - 所有格で特定。

例文:I heard my phone ringing in my bag. (カバンの中で電話が鳴っているのが(その最中が)聞こえた。)

冠詞ルール: my phone, my bag - 所有格で特定。

ステップ4:hearを使った頻出表現

I hear you. (あなたの言うこと、わかるよ): I hear you, but I have to disagree. (お気持ちはわかりますが、賛成はできません。)

冠詞ルール: `I hear you.`は、文字通り「あなたの声が聞こえる」という意味にもなりますが、会話では「あなたの言い分は理解できる、共感する」というニュアンスで使われることが多い定型句です。

Let's hear it for ... (〜に拍手を!): Let's hear it for the winner! (勝者に拍手を送りましょう!)

冠詞ルール: the winner - 特定の「その勝者」。`Let's hear it for`は「〜のために音(拍手)を聞こう」→「〜を称えよう」という定型句です。

まとめ:hearマスターへの最終確認

お疲れ様でした!`hear`の持つ「受動的な知覚」のイメージが、その使い方を決定していることがお分かりいただけたでしょうか。

これからは、何かを「聞く」場面で、「これは意識的に聴いている?それとも自然に聞こえてきた?」と考えてみてください。その判断が、あなたの英語をより正確で自然なものにします!