begin は、`sing-sang-sung`のように母音が`i→a→u`と変化する、代表的な不規則動詞です。この変化のパターンは必ず覚えましょう。
活用形 | 形 | 例文(クリックで発音) |
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原形 (Base Form) | begin | Let's begin. |
三単現形 (3rd Person Singular) | begins | The tour begins at 10 a.m. |
過去形 (Past) | began | She began to laugh. |
過去分詞形 (Past Participle) | begun | The game has already begun. |
現在分詞形 (Present Participle) | beginning | I'm beginning to understand. |
活用に注意!: 過去形は`began`、過去分詞形は`begun`です。特に過去分詞形を`began`と間違えやすいので、`have begun`のようにセットで覚えるのがおすすめです。
begin をマスターする鍵は、その「フォーマルさ」と「段階的な開始」のイメージを理解することです。
begin の本質は、あるプロセスや物語、行事などの「最初のステップに入る・開始する」という点にあります。`start`が持つ「ゼロからの始動」という、やや唐突なイメージに比べ、`begin`はより緩やかで、計画された物事の始まりに適しています。そのため、書き言葉やスピーチなど、改まった場面で好まれます。
多くの場合交換可能ですが、微妙なニュアンスの違いがあります。
Let us begin the ceremony.
(式典を始めましょう)Let's start the party!
(パーティーを始めようぜ!)日常会話では`start`、論文やスピーチでは`begin`、と使い分けるのが基本です。
文法的には`start`と非常によく似た使い方をします。
`start`と同様に、後ろに動詞を続ける場合、`to do`(不定詞)と`-ing`(動名詞)のどちらを使っても、意味はほとんど変わりません。
例文:The leaves began to fall from the tree.
(葉が木から落ち始めた。)
The leaves
, the tree
- 特定の葉、特定の木を指しているため、定冠詞`the`が付きます。
例文:I am beginning to feel a little tired.
(少し疲れを感じ始めています。)
a little tired
- `a little`は「少し」という量を表す表現で、形容詞`tired`を修飾しています。
会議や学期、人生の新しいステージなど、抽象的で区切りのある物事を始めたり、始まったりする場合に使われます。
例文:She began a new chapter in her life.
(彼女は人生の新しい章を始めた。)
a new chapter
- 「一つの新しい章」という不特定のものを指すため`a`。her life
- 所有格で特定されています。
例文:The new semester begins next week.
(新学期は来週始まります。)
The new semester
- これから始まる特定の「新学期」なので`the`が付きます。
To begin with, ... (まず第一に、そもそも): To begin with, we need a solid plan.
(まず第一に、我々にはしっかりとした計画が必要だ。)
a solid plan
- 「一つのしっかりとした計画」なので`a`。`To begin with`はスピーチや文章の冒頭で使われる非常に便利な表現です。
the beginning of ... (〜の始まり): This is only the beginning of the story.
(これはその物語のほんの始まりに過ぎない。)
the beginning
, the story
- 特定の「始まり」、特定の「物語」なので、両方に`the`が付きます。
お疲れ様でした!`begin`が、`start`よりもフォーマルで、物事の段階的な「開始」を表す動詞であることがお分かりいただけたでしょうか。
`begin`をスピーチやEメールなどでさらりと使えると、あなたの英語はぐっと知的な印象になります。ぜひ挑戦してみてください!