「ひとつの」「一人の」を表す a / an
「名詞句」作りの、記念すべき第一歩です。
基本ルール:「数えられる名詞」が「ひとつ」のときのお約束
英語には、日本語にない不思議なルールがあります。それは、「数えられる名詞」が「ひとつ(単数)」で文中に登場するとき、`a` か `an` をその前につけるというお約束です。
`a` も `an` も、「たくさんある中の、とある一つ」というニュアンスを持っています。初めて話題に出すときや、特定の一つを指さないときに使います。
"a" と "an" の使い分け
どちらを使うかは、名詞の「文字」ではなく、名詞の「最初の音」で決まります。これがとても重要です。
"a" を使う場合 → あとに続く単語が「子音」の音で始まるとき
子音とは、簡単に言うと「ア・イ・ウ・エ・オ」以外の音です。
"an" を使う場合 → あとに続く単語が「母音(ア・イ・ウ・エ・オ)」の音で始まるとき
`a apple` だと言いにくいので、`n` を挟んで `an apple` と発音しやすくした、と考えると覚えやすいです。
注意が必要なケース(文字と音が違う例)
あくまで「音」が基準なので、スペルに惑わされないようにしましょう。
- a university: `u` は母音の文字ですが、発音は `[ju:]` (ユ) で子音の音なので `a` を使います。
- an hour: `h` は子音の文字ですが、発音されず `[aʊər]` (ア) で母音の音なので `an` を使います。
これらのトリッキーな例を練習してみましょう。
「a/an」を使わない場合
このお約束は万能ではありません。以下の場合には `a/an` は使いません。
- 数えられない名詞の前: I drink coffee every morning. (a coffee とは言わない)
- 複数形の名詞の前: She likes dogs. (a dogs とは言わない)
「数えられる名詞」で「ひとつ」のときだけ、というルールをしっかり覚えておきましょう。