文をまるごと名詞にする "that節"
名詞句作りの最終ステージ。「〜ということ」という、より複雑な内容を部品化します。
「文」が名詞になる?
これまで、単語 (`book`) や句 (`reading books`, `to read books`) を名詞のカタマリとして扱ってきました。ここからは、`He is honest.` (彼は正直だ) のような「主語 + 動詞」を含む文そのものを、大きな名詞のカタマリにする方法を学びます。これを「名詞節」と呼びます。
その名詞節を作るための、最も基本的な接着剤が接続詞 `that` です。`that` を文の頭につけることで、「〜ということ」という意味の巨大な名詞句が完成します。
- 文: He is honest. (彼は正直だ。)
- 名詞節: that he is honest (彼が正直だということ)
目的語になる `that`節
`I know ...` (〜を知っている), `I think ...` (〜だと思う), `She said ...` (彼女は〜と言った) のように、思考や発言を表す動詞の目的語として `that`節 は非常によく使われます。
💡 日常会話では、この目的語になる `that`節 の `that` は、よく省略されます。
主語になる `that`節
「〜ということは…だ」という意味で、`that`節を文の主語にすることもできます。しかし、`that`節は長くなりがちなので、そのまま文頭に置くと「頭でっかち」な印象になります。そのため、仮の主語 `It` を先に置いて、`that`節を後ろに回す形が圧倒的に一般的です。
- 硬い表現: That the earth is round is a fact.
- 自然な表現: It is a fact that the earth is round.
"同格" の `that`節
`the fact` (事実), `the news` (知らせ), `the idea` (考え), `the belief` (信念) といった特定の抽象名詞のうしろに `that`節を置いて、その名詞の具体的な内容を説明する用法です。「〜という事実」のように、名詞と `that`節 の内容がイコール(=同格)の関係になります。
まとめ
`that`節を使いこなせると、人の意見や、世の中の事実といった、より複雑で抽象的な事柄を文の部品として自由に組み込めるようになります。特に `I think (that)...` と `It is ... that ...` の形は、英会話やライティングで頻繁に登場するので、ぜひ使えるようになっておきましょう。