もうひとつの「〜すること」:不定詞の名詞的用法

動名詞とそっくりな役割を持つ、`to + 動詞の原形` の使い方をマスターしましょう。

`to + 動詞` も名詞になる

前回、`動詞-ing`(動名詞)が「〜すること」という意味の名詞のカタマリになることを学びました。実は、英語にはもう一つ、「〜すること」を表す形があります。それが `to + 動詞の原形` で表される「不定詞」です。

この不定詞のカタマリも、動名詞とまったく同じように、文の主語や目的語として機能します。

主語 (S) になる不定詞

「〜することは…です」と言いたいとき、不定詞を文の先頭に置くことができます。主語になる場合、その「行動」全体を「ひとつのこと」と見なすため、動詞は単数扱いになります。

💡 ただし、`To travel is fun.` のように不定詞を主語にすると、少し硬い、書き言葉的な響きになります。日常会話では、仮の主語 `It` を先に置いて、`It is fun to travel.` のように不定詞を後ろに回す形が圧倒的に多く使われます。

目的語 (O) になる不定詞

「〜することを…する」という意味で、動詞の目的語として不定詞を置くこともできます。特に、`want` (したい), `hope` (望む), `decide` (決める), `plan` (計画する) のように、未来のことや、まだ実現していないことを表す動詞は、目的語として不定詞と非常に相性が良いです。

動名詞?不定詞?意味が大きく変わる動詞

目的語に動名詞をとるか、不定詞をとるかで、文全体の意味が全く変わってしまう動詞があります。特に以下の動詞は重要です。

まとめ

動名詞と不定詞は、どちらも「〜すること」という名詞句を作れる便利な道具です。どちらを使うかは、組み合わせる動詞の性質(特に未来志向かどうか)や、文の形(`It is ... to do`)によって決まります。この使い分けができるようになると、表現がより正確になります。