ページ2 場所を表す副詞句が文頭に来る倒置

`On the hill`, `Here`, `There` など

A Quiet Afternoon (静かな午後)

On the table lay a dusty old book. From the kitchen came the smell of freshly baked bread. Suddenly, a noise! Around the corner appeared a small cat. Ah, here comes my friend, right on time.

本文の和訳

テーブルの上には、ほこりっぽい古い本が置いてあった。キッチンからは焼きたてのパンの匂いがしてきた。突然、物音が!角から現れたのは一匹の小さな猫だった。ああ、ちょうど時間通りに友達がやって来た。

On the table lay a dusty old book.
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前からチャンク理解

"On the table lay..." (テーブルの上には横たわっていた…)
→ "...a dusty old book." (ほこりっぽい古い本が)

ネイティブの感覚

まるでカメラがゆっくりと部屋を映していくような感覚です。まず「テーブルの上」という舞台設定を見せ、次に「何があるか」を明かします。`A book lay on the table.` よりも、情景を生き生きと描写する文学的な表現。聞き手は、まず場面を想像し、そこに物がスッと現れるような感覚を味わいます。

From the kitchen came the smell of freshly baked bread.
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前からチャンク理解

"From the kitchen came..." (キッチンからやって来たのは…)
→ "...the smell of freshly baked bread." (焼きたてのパンの匂い)

ネイティブの感覚

これも情景描写のテクニックです。「どこから」という出どころを先に示すことで、聞き手の注意をそちらに向けさせます。そして「何が」来たのかを後から明かすことで、より印象的に伝えます。「匂いがキッチンから来た」のではなく、「キッチンの方から、ふわっと匂いが漂ってきた」という、動きや流れを感じさせる表現です。

Around the corner appeared a small cat.
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前からチャンク理解

"Around the corner appeared..." (角から現れたのは…)
→ "...a small cat." (一匹の小さな猫)

ネイティブの感覚

突然の出現を効果的に見せる表現です。まず「角を曲がったところ」に視点を固定させ、次に「猫」がひょっこり現れる様子を描写します。`A small cat appeared around the corner.` よりも、動きとサプライズ感が強調されます。まるで映画のワンシーンのように、何かがフレームインしてくる感覚です。

Here comes my friend.
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前からチャンク理解

"Here comes..." (ほら、来たよ…)
→ "...my friend." (友達が)

ネイティブの感覚

「ほら、来た!」と、待ち望んでいた人や物が現れた瞬間に使う、非常にいきいきとした口語表現です。`My friend is coming here.` よりも、到着の瞬間を捉えた臨場感があります。`Here` にアクセントを置いて言うことで、「今、ここに!」という即時性を強調します。バスを待っていて「Here comes the bus!」と言うのと同じ感覚です。