ページ106 完了形と“本当は伝えたかったこと”

「ずっと胸の奥にあった言葉」——完了形は、過去から今までの“気持ちの積み重ね”をすくいあげる。

The Words I Couldn't Say

Yuna: I’ve tried to tell you before, but it never came out right.

Ren: I had a feeling. Like you were holding something in.

Yuna: I’ve been meaning to say it for a long time... I appreciate you. More than you know.

Ren: I’ve waited to hear that. Even if I never asked, I’ve hoped for it.

Yuna: I know it’s late, but I’ve meant every word I just said.

Ren: And I’ve heard every word—finally.

ストーリー和訳

ユナ: ずっと伝えようとしてたの。でも、うまく言えなかった。
レン: なんとなく感じてたよ。何か抱えてるんじゃないかって。
ユナ: 長いこと、言いたかったんだ……ありがとうって。あなたが思ってる以上に感謝してる。
レン: ずっとその言葉を待ってた。自分からは言えなかったけど、心の中ではずっと願ってた。
ユナ: 遅くなったけど、今言った言葉は全部、心からのものだよ。
レン: 今、ちゃんと全部届いたよ——ようやくね。

I’ve tried to tell you before, but it never came out right.
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前からチャンク理解

"I’ve tried..."(何度かやってみたんだけど)
→ "to tell you before"(前に言おうとしてたの)
→ "but it never came out right."(でもうまく言えなかった)

ネイティブの感覚

`I’ve tried` は「過去にも何度も挑戦してきたけど今も未完了」という意味合い。`came out right` で「うまく言えなかった」ことのもどかしさがにじむ。

(補足)文法的な説明

現在完了「経験」用法。過去の試みが現在の感情に影響している。`try to do`は努力の方向性を持つ動詞なので完了形と相性が良い。

I’ve been meaning to say it for a long time.
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前からチャンク理解

"I've been meaning..."(ずっと思ってた)
→ "to say it"(それを言うってことを)
→ "for a long time."(長い間)

ネイティブの感覚

`I’ve been meaning` は「言いたかったのにずっと言えずにいた」という継続のもどかしさを表す言い回し。ネイティブがよく使う「気持ちの準備はあったけど、行動にはできなかった」状態。

(補足)文法的な説明

`have been + ~ing` で継続用法。`mean to do` は「〜するつもり」という意味だが、完了進行形になると「ずっとその気持ちを持ち続けてきた」というニュアンスになる。

I’ve meant every word I just said.
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前からチャンク理解

"I've meant..."(本気だった)
→ "every word I just said."(今言った言葉、全部)

ネイティブの感覚

`I’ve meant` は「ただ口にしただけじゃない、心からの言葉だった」ということを今まさに強調するための完了形。話している“今”と直結していることで、誠実さを強調する。

(補足)文法的な説明

`mean` を完了形にすると、「発言や行動の背後にある真意が過去から今まで本物だった」と示す。`every word` という表現がその信念の深さを際立たせる。