ページ116 完了形と“約束のあとさき”

「言葉にしたあの日から、ずっと心に残っている」——完了形は、“交わした約束”が今の自分にどう響いているかを表す。

The Promise

Nana: You remember what we promised, right?

Tomo: Of course I do. I’ve kept it ever since.

Nana: Even when things got tough?

Tomo: Especially then. That promise has carried me through so much.

Nana: I’ve broken a few of mine. But that one... I’ve held on to it, too.

Tomo: Then maybe it wasn’t just a promise. Maybe it was who we decided to be.

ストーリー和訳

ナナ: あのときの約束、覚えてる?
トモ: もちろん。あれからずっと守ってるよ。
ナナ: つらいときも?
トモ: むしろ、つらいときこそ。あの約束があったからこそ、何とかやってこれたんだ。
ナナ: 私はいくつかの約束は破ってきた。でもあれだけは…私もずっと心に抱えてきた。
トモ: じゃあ、あれはただの約束じゃなかったのかもな。あれは、“どう生きるか”を決めた瞬間だったんだよ。

I’ve kept it ever since.
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前からチャンク理解

"I've kept it..."(私はそれを守ってきた)
→ "ever since."(あの日からずっと)

ネイティブの感覚

`ever since` という副詞句が、過去の一点から今までの“継続”を強調している。「忘れずにずっと持ち続けてきた」という感覚がにじみ出る。

(補足)文法的な説明

現在完了「継続」用法。`ever since` は“~して以来ずっと”という時間の始点を暗示する。

That promise has carried me through so much.
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前からチャンク理解

"That promise has carried me..."(その約束が私を支えてきた)
→ "through so much."(いろんな困難を越えて)

ネイティブの感覚

`carried me through` という表現は、心理的な支えを意味する。「約束という無形のもの」がずっとそばにいて、見えない力を与えてくれていた感覚。

(補足)文法的な説明

現在完了「影響・継続」用法。句動詞 `carry someone through ~` は「~を乗り越えさせる、支える」という意味。

I’ve held on to it, too.
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前からチャンク理解

"I've held on to it..."(私もそれを手放さずにきた)
→ "too."(君と同じように)

ネイティブの感覚

`held on to` は「しがみついていた」というだけでなく、「信じ続けてきた」という意味も込められる。完了形にすることで「今までのずっと続いてきた心の支え」を表現している。

(補足)文法的な説明

現在完了「継続」用法。`hold on to ~` は「大事なものを手放さない・心に持ち続ける」という熟語的表現。