ページ97 完了形と“言えなかったありがとう”

「ずっと心の中にあったのに、言えなかった言葉」——完了形は、過去に抱えた思いを、今こそ言葉にするための文法です。

What I Meant to Say

Rei: I’ve been meaning to tell you something for a while.

Kana: What is it?

Rei: I’ve carried it for so long, and I should’ve said it earlier, but… thank you.

Kana: You’ve always thanked others, but never yourself.

Rei: I’ve realized how much you’ve done for me. And I’ve never told you properly.

Kana: I’ve known. But hearing it now still means a lot.

ストーリー和訳

レイ: ずっと前から、言いたかったことがあるんだ。
カナ: 何?
レイ: 長い間、心の中で抱えてた。もっと早く言うべきだった。でも……ありがとう。
カナ: 君はいつも誰かに感謝してた。でも、自分自身には言ってなかったよね。
レイ: 君がしてくれたことの大きさに、ようやく気づいた。そして、ちゃんとお礼を言ったことがなかった。
カナ: わかってたよ。でも、こうして言葉にしてくれるのは、やっぱり嬉しい。

I’ve been meaning to tell you something.
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完了進行形 × 心に引っかかっていた思い
「ずっと言おうと思っていたのに言えなかった」——そんな未完了の気持ちを完了進行形で自然に表現。時間が経っても残っている想いに適したフレーズ。

I should’ve said it earlier.
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完了形 × 後悔の表現
`should have + 過去分詞` は「〜すべきだったのに」という後悔のニュアンスを込める完了表現。言えなかった過去への反省がにじむ構文。

I’ve never told you properly.
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完了形 × 一度もできなかったこと
`never`と現在完了形を組み合わせることで「ちゃんと言ったことがなかった」という過去の“空白”を強く意識させる表現に。

Hearing it now still means a lot.
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現在 × 過去の言葉の価値
「今その言葉を聞けたこと」が、どれだけ意味を持っているかを表現。完了形ではないが、完了形で積み重ねた背景があってこそ響く現在形の例。