ページ70 完了形と“ずっと言えなかったありがとう”

「今になってようやく伝えられる」——完了形は、長い沈黙の中で心に抱えてきた感謝を、やさしく語る。

I’ve Never Thanked You… Until Now

Naomi: You probably don’t even remember what you did for me.

Leo: What do you mean?

Naomi: Back in school. When I was completely lost. You said one thing that changed everything.

Leo: I did?

Naomi: “You matter.” That’s what you said. I’ve carried those words ever since.

Leo: I had no idea it meant so much.

Naomi: I’ve never thanked you properly. So… thank you. Truly.

ストーリー和訳

ナオミ: あなたはたぶん、あの時のことなんて覚えてないよね。
レオ: 何のこと?
ナオミ: 昔、学校で。私が本当に迷ってた時、あなたが言ってくれた一言が、全部を変えてくれたの。
レオ: 僕が何か言ったっけ?
ナオミ: 「君には価値がある」って。あの言葉を、今までずっと胸に抱いてきたの。
レオ: そんなに響いてたなんて、知らなかったよ。
ナオミ: ちゃんとお礼を言ったことなかったから…。ありがとう。心から。

You probably don’t even remember what you did for me.
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完了形ではないが、伏線として重要。相手は覚えていなくても、自分にとっては忘れられない「記憶の非対称性」が印象的な表現。

I’ve carried those words ever since.
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完了形 × 言葉の持続的な影響
`have carried` は「持ち続けている」心の重みや影響を表す。`ever since` がその期間の長さと深さを暗示する。

I’ve never thanked you properly.
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`have never thanked` × 続いてきた後悔
「ちゃんとお礼が言えなかった」という過去からの気持ちを、完了形で今につなげる。だからこそ「今、伝えたい」が際立つ。

Thank you. Truly.
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シンプルな現在形で締めることで、完了形で蓄積された感情が、今ここで「届いた」ことがわかる。`Truly` がその真心を強調。