ページ68 完了形と“失ったものの意味”

「なくして初めて気づいた」——完了形は、過去に失った存在の重みと、その後の気づきを描く。

What I’ve Lost, What I’ve Learned

Noel: Ever since Dad passed away, I’ve looked at time differently.

Ray: I’ve noticed. You’ve slowed down. You listen more.

Noel: I’ve lost things I thought would always be there. But I’ve also found what really matters.

Ray: Loss has a way of showing us that, doesn’t it?

Noel: I’ve cried, I’ve broken, I’ve rebuilt. I’ve changed more in two years than in the ten before that.

Ray: You’ve become someone your dad would be proud of.

ストーリー和訳

ノエル: 父が亡くなってから、時間の捉え方が変わったんだ。
レイ: 気づいてたよ。君、ゆっくり生きるようになった。ちゃんと人の話も聞くし。
ノエル: ずっとあると思ってたものを、たくさん失った。でもそのおかげで、本当に大事なものが見えてきたんだ。
レイ: 失うことで見えてくることって、あるよな。
ノエル: 泣いて、壊れて、でもまた立ち上がった。この2年で、それまでの10年よりも大きく変わったよ。
レイ: 君は今、きっとお父さんが誇れるような人になってる。

I’ve looked at time differently.
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`have looked` × 見方の変化
以前とは違う「時間の捉え方」を今も続けているというニュアンス。完了形によって、その変化が一時的なものではないと伝える。

I’ve lost things I thought would always be there.
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完了形 × 永久だと思っていたものの喪失
「失ったもの」だけでなく、「それがずっとあると信じていた」という対比も入ることで、感情の深みが増す。

I’ve cried, I’ve broken, I’ve rebuilt.
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反復完了形 × 再生の過程
連続する `I've + 過去分詞` によって、泣き、壊れ、立ち直るという一連の流れを感情を込めて描く。再生と成長の証。

I’ve changed more in two years than in the ten before that.
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完了形 × 比較構文
`have changed more ... than ...` の形で、「この短期間に大きく変化した」ことを強調。失った体験による成長を語るときに有効。