ページ61 完了形と“過去への許し”

「もう許してる」——完了形は、傷ついた過去と向き合い、和解した“今の自分”を描く。

I’ve Let It Go

Isla: You never said sorry, did you?

Theo: No. I should have. I’ve regretted it ever since.

Isla: I’ve carried that moment for years. That silence hurt more than the mistake.

Theo: I know. I’ve thought about it so many times. I’ve wished I could go back and fix it.

Isla: You can’t. But I’ve let it go. Holding onto it only made me tired.

Theo: Thank you… That means more than you know.

ストーリー和訳

アイラ: 謝ってくれたこと、一度もなかったよね?
テオ: ああ…本当は謝るべきだった。あれからずっと後悔してた。
アイラ: あの瞬間を、何年も引きずってたよ。間違いそのものより、沈黙の方がつらかった。
テオ: わかってる。何度も思い返したし、戻ってやり直せたらって思った。
アイラ: もう戻れない。でも私はもう手放したよ。抱えてたら疲れるだけだった。
テオ: ありがとう…。その言葉、思ってる以上に救われるよ。

I’ve regretted it ever since.
この文の感覚を掴む

`have regretted + ever since` = 「ずっと後悔してきた」
`ever since` で「それ以来ずっと」を表す。現在も続いている心の痛みを自然に表現できる定番の組み合わせ。

I’ve carried that moment for years.
この文の感覚を掴む

`have carried` で「心の中で抱えてきた」
過去の出来事が今の感情にも影響を及ぼしているときに使われる完了形。ここでは「抱えていた痛み」を暗示している。

I’ve thought about it so many times.
この文の感覚を掴む

`have thought` + 頻度表現 = 「何度も考えてきた」
「考える」という動作の繰り返しと現在までの継続を自然に表す完了形。心に引っかかって離れなかった感情がにじむ。

I’ve let it go.
この文の感覚を掴む

完了形 × 許し・解放の完成
`have let go` は「気持ちを手放す・許す」ことを静かに表す構文。完了形で「いま、ついに手放せた」ことを示す。