不定の表現

「何か食べたい?」「誰か来た?」「いいえ、何も。」
こうした日常会話に欠かせない「何か」「誰か」「何も」「誰も」という表現。スペイン語ではどう言うのでしょうか?これらの便利な言葉を使いこなせると、会話がより自然になります。肯定(ある)と否定(ない)のペアで覚えるのが上達のコツです!

肯定チーム:「何かある?」「誰かいる?」の表現

「ある」ことを示す、ポジティブな響きの言葉たちです。

① モノについて:「何か」または「いくつかの〜」

algo (代名詞): 単独で「何か (something)」という意味を表します。性・数で変化しません。
例文:Quiero beber algo. (私は何か飲みたい。)

algún / alguna(s) / algunos (形容詞): 名詞にくっついて「いくつかの〜」「何かの〜」という意味を表します。飾る名詞の性・数に合わせます。

例文:¿Tienes algún libro de español? (スペイン語の本を何冊か持っていますか?)
例文:Tengo algunas amigas en México. (私にはメキシコに何人かの女友達がいます。)

⚠️注意: alguno は男性・単数の名詞の前では algún に短縮されます。

② 人について:「誰か」

alguien (代名詞): 単独で「誰か (someone)」という意味を表します。性別に関係なくこの形です。

例文:Alguien ha llamado a la puerta. (誰かがドアをノックしました。)

否定チーム:「何もない」「誰もいない」の表現

「ない」ことを示す、ネガティブな響きの言葉たちです。肯定チームの反対の言葉として覚えましょう。

① モノについて:「何も」または「一つも〜ない」

nada (代名詞): `algo`の反対。単独で「何も (nothing)」という意味です。
例文:No veo nada. (私は何も見えません。)

ningún / ninguna (形容詞): `algún`の反対。名詞にくっついて「いかなる〜も…ない」「一つも〜ない」と、否定を強調します。基本的に複数形はありません。

例文:No tengo ningún problema. (私は何の問題もありません。)
例文:No hay ninguna silla libre. (空いている椅子は一つもありません。)

⚠️注意: ninguno も、男性・単数の名詞の前では ningún に短縮されます。

② 人について:「誰も」

nadie (代名詞): `alguien`の反対。単独で「誰も (no one)」という意味です。

例文:Nadie sabe la respuesta. (誰もその答えを知りません。)

スペイン語の重要ルール:二重否定

英語と違い、スペイン語では動詞の前に No を置き、さらに後ろに nadanadie などの否定語を置く「二重否定」が正しい文法です。これは否定の意味を強調する働きがあります。

まとめ:早わかり対比表

これらの言葉の関係性を表にまとめました。頭の整理に役立ててください。

肯定 (ある)否定 (ない)
形容詞
(名詞を飾る)
algún, alguna(s), algunos
(いくつかの〜)
ningún, ninguna
(一つも〜ない)
代名詞
(モノ)
algo
(何か)
nada
(何も)
代名詞
(人)
alguien
(誰か)
nadie
(誰も)