第29回:過去の"もしも"話 〜接続法過去〜
¡Hola! Estás a punto de conquistar el subjuntivo. (オラ!エスタス ア プント デ コンキスタール エル スブフンティーボ。こんにちは!君は接続法を征服する寸前だ。)
今回は、接続法の最後の大きなテーマ、「接続法過去」を学びます。「もし学生時代、もっと勉強していたら…」「彼がパーティーに来るかどうかわからなかった」のように、過去の時点での願望や疑い、そして現実とは違う「もしも」の話をする時に不可欠な時制です。作り方は少しトリッキーですが、ルールは一つです。これをマスターすれば、スペイン語の表現力は頂点に達します!
接続法過去の作り方:点過去`ellos`形から変身!
接続法過去の作り方は、これまでのどの活用とも違います。ベースになるのは、なんと「動詞の点過去、三人称複数 (ellos/as) の形」です。
- 動詞の点過去 `ellos`形 を作る (例: hablaron, comieron, tuvieron)
- 語尾の -ron を取り除く (例: habla-, comie-, tuvie-)
- そこに、新しい語尾を付ける: -ra, -ras, -ra, -ramos, -rais, -ran
接続法過去の活用例
動詞 | 点過去 (ellos) | → 接続法過去 (yo) | 接続法過去 (él) |
---|---|---|---|
hablar | hablaron | → hablara | hablara |
comer | comieron | → comiera | comiera |
tener (不規則) | tuvieron | → tuviera | tuviera |
ser/ir (不規則) | fueron | → fuera | fuera |
※ nosotros の形は、-ramos の前の母音にアクセントが付きます (例: habláramos)。
※ -se, -ses, -se... という別の語尾もありますが、まずは-ra形を覚えれば十分です。
接続法過去の使い方
① 過去の時点での「願望・感情・疑い」など
主節の動詞が点過去や線過去のとき、queに続く従属節で使われます。
Quería que me ayudaras. (私は君に手伝ってほしかった。)
No creía que fuera tan difícil. (それがそんなに難しいとは思わなかった。)
② 現実とは違う「もしも」の話 (`Si ...`)
これが最も代表的な使い方です。「もし〜だったら、…だろうに」という、現在の事実とは違う仮定を表します。`Si`節の中で接続法過去を使い、主節では前回学んだ「条件法」を使います。
Si tuviera más dinero, viajaría por el mundo. (もしもっとお金があったら、世界中を旅行するだろうに。)
Si yo fuera tú, aceptaría el trabajo. (もし私が君なら、その仕事を受け入れるだろうに。)
今回のまとめ
接続法の最後の山、接続法過去を制覇しました!
- 作り方は「点過去`ellos`形」から`-ron`を取って、`-ra, -ras...`を付ける。
- 過去の時点での願望や疑い、そして「もし〜だったら」という現在の非現実な仮定を表す。
これで、スペイン語の主要な法・時制はすべて学び終えたことになります。これは驚くべき成果です!
次回、いよいよ最終回。これまでの旅を振り返り、今後の冒険へのコンパスを手にしましょう。