第8回:「好き」を伝えよう! 〜gustar構文の秘密〜
¡Vamos a un tema muy interesante! (バモス ア ウン テマ ムイ インテレサンテ! とても面白いテーマにいきましょう!)
「私はサッカーが好きです」とスペイン語で言いたいとき、多くの人が `Yo gusto el fútbol.` と考えてしまいます。しかし、これは間違いです!
スペイン語で「好き」という気持ちは、「(モノやコトが)私に喜びを与える」という、とてもユニークな構造で表現します。このgustarの構文はスペイン語の大きな特徴の一つ。一見ややこしいですが、仕組みさえ分かれば簡単です。じっくり解説しますね!
`gustar`構文の2つの大原則
原則①:動詞は「好きなモノ」に合わせる!
主役は「私」ではなく「好きなモノ」です。そのため、gustarは「好きなモノ」が単数か複数かだけで形が決まります。主に使うのはこの2つだけ!
- 好きなものが単数 or 動詞の場合 → gusta
- 好きなものが複数の場合 → gustan
... gusta el chocolate. (チョコレートが好き)
... gusta viajar. (旅行することが好き)
... gustan los perros. (犬が好き)
原則②:「誰が」好きかは代名詞で示す!
では、「誰が」好きなのかは、どうやって示すのでしょう?ここで登場するのが「間接目的格人称代名詞」です。難しそうな名前ですが、要は「誰に」を表す短い単語です。これをgusta(n)の前に置きます。
間接目的格人称代名詞
代名詞 | 意味 |
---|---|
me | 私に |
te | 君に |
le | 彼に、彼女に、あなたに |
nos | 私たちに |
os | 君たちに |
les | 彼らに、彼女らに、あなたがたに |
`gustar`構文を組み立てよう!
2つの原則を組み合わせると、gustarの文が完成します。基本形は「(強調のA + 人) + 間接目的格代名詞 + gusta/gustan + 好きなモノ」です。
Me gusta la comida española. (私はスペイン料理が好きです。)
→ 直訳:私に、スペイン料理は、喜びを与える。
¿Te gustan los gatos? (君は猫が好きかい?)
→ 直訳:君に、猫たちは、喜びを与えるか?
A mi madre le gusta leer. (私の母は読書が好きです。)
→ leだけだと「彼に/彼女に/あなたに」の誰か不明なため、A mi madre(私の母には)と強調することが多いです。
今回のまとめ
gustarの秘密、解き明かせましたか?ポイントは2つだけです!
- 動詞の形はgustaかgustanがほとんど。主役は「好きなモノ」。
- 誰が好きかは、動詞の前に置くme, te, le...で表す。
この特殊な構文に慣れれば、スペイン語の感覚がぐっと身につきます。実はencantar(大好き)、interesar(興味がある)など、同じ作りの動詞は他にもたくさんあります。まずはgustarを完璧にマスターしましょう!