ウルトラ先生の「力の図示」徹底解説!

~物理の"なぜ?"をスッキリ解消~

1.2 力の図示 (Force Diagram) ってどうやるの? ~矢印で力をVisualizeしよう~

力の図示って、いったい何? なぜ大切なの?

前のページで、力には「作用点」「大きさ」「向き」の3つの要素があることを学んだね。 力の図示 (Force Diagram) というのは、この3つの要素を、たった1本の矢印 (Arrow) を使って、目で見て分かるように表現することなんだ。 まるで、目に見えない力を「見える化」する魔法みたいだね!

「でも、どうしてわざわざ図に描くの?」って思うかもしれない。力の図示には、こんなにたくさんのメリットがあるんだよ。

  • 状況がスッキリ整理できる!:複雑な問題も、どんな力が働いているかを図にすることで、頭の中がクリアになる。
  • 力の見落としが減る!:図に描いていくことで、「あ、この力も考えなきゃ!」と気づきやすくなる。
  • 考えを伝えやすくなる!:自分がどう考えたかを図で示すことで、先生や友達にも説明しやすくなるよ。
  • 次のステップに進みやすくなる!:正しく力が図示できれば、運動の法則(運動方程式)を使って計算したり、力のつり合いを考えたりする準備が整うんだ。

つまり、力の図示は、物理の問題を解くための「最強の武器」の一つなんだ! これから、その使い方をマスターしていこう。

力の矢印の描き方:3つのルールを覚えよう!

力の3要素を1本の矢印で表現するためには、守ってほしいルールが3つあるよ。 これはとっても重要だから、しっかり頭に入れてね!

力の矢印 描き方の3大ルール

  1. 矢印の根元(始点)を、力の作用点 (Point of application) に合わせる。
  2. 矢印の向きを、力の向き (Direction) に合わせる。
  3. 矢印の長さを、力の大きさ (Magnitude) に比例 (Proportional) させる。

ルール解説と具体例

言葉だけだと難しいかもしれないから、具体例と一緒に見ていこう! 例えば、床の上にリンゴが置いてある状況を考えてみよう。

図1:床に置かれたリンゴに働く力 (想像図)

このリンゴには、少なくとも2つの力が働いていると考えられるよ。 一つは、地球がリンゴを下に引っぱる重力。もう一つは、床がリンゴを上に押し返す力(これを垂直抗力って言うんだけど、詳しくはまた後でね)。

  • 作用点:重力はリンゴ全体の中心(重心)に働くと考えることが多いよ。床が押す力は、リンゴと床が接している面に働くね。矢印の根元は、それぞれの作用点に置くんだ。
  • 向き:重力は真下向き。床が押す力は真上向き。矢印の先が、その向きを示すように描こう。
  • 大きさ:もしリンゴが床の上で静止しているなら、重力と床が押す力は同じ大きさになるんだ(これも後で詳しく!)。だから、矢印の長さも同じくらいにするのがいいね。「力が2倍なら矢印の長さも2倍」というように、力の大きさに合わせて矢印の長さを変えるのがポイント。これを「比例させる」って言うんだ。
    最初のうちは、正確な長さにこだわりすぎなくても大丈夫。「こっちの力の方が大きいな」と思ったら、矢印を長めに描く、という感じで相対的な関係が分かればOKなことも多いよ。

このように、たった1本の矢印に、力の3つの情報がギュッと詰まっているんだね!

力の図示をするときの、はじめの一歩

実際に力の図示を始めるとき、何から考えればいいかな? 大事なポイントがいくつかあるよ。

  1. 注目物体を決める!:「どの物体に働く力を考えるのか?」をハッキリさせよう。これを注目物体 (Object of interest) とかFocus object と呼ぶよ。例えば、「リンゴに働く力」なのか「床に働く力」なのかで、描くべき力は変わってくるんだ。
  2. 物体に働く力を「すべて」見つけ出す!:注目物体が決まったら、その物体にどんな力が働いているのかを、漏れなく探し出す。これは練習が必要だけど、コツがあるから大丈夫!(次のページから詳しく見ていくよ)
  3. それぞれの力について矢印を描く!:見つけ出した力一つ一つに対して、さっきの3つのルール(作用点・向き・大きさ)に従って矢印を描いていこう。

特に「注目物体を意識する」ことは、混乱しないためにすごく大切だよ!

【練習】矢印の描き方に慣れよう!

下の図に、指示された場所に、指示された向きと大体の大きさで力の矢印を描いてみよう。 まだ力の種類は気にしなくてOK。矢印の「始点」「向き」「長さ」を意識して描く練習だよ。 (このアプリでは、クリックした場所が始点になり、そのままドラッグすると矢印が描けるよ。)

指示に合わせて、物体(円や四角)に力の矢印を描いてみよう!

  1. 左の青い円の中心から、真下に長さ中くらいの矢印を描こう。
  2. 右の緑の四角の右面中央から、右向きに長さ短めの矢印を描こう。
  3. 右の緑の四角の上面中央から、真上に長さ長めの矢印を描こう。

次は?

力の矢印の描き方の基本ルール、分かったかな? 作用点・向き・大きさを意識して、矢印を描く練習をしてみてね。

「じゃあ、どんな種類の力が実際に存在するの?」という疑問が湧いてきた頃じゃないかな? 次のページからは、いよいよ物理の世界でよく登場する基本的な力(重力、垂直抗力、張力など)について、一つ一つ詳しく見ていくよ! それぞれの力がどんな特徴を持っているのか、一緒に探っていこう!

このページで出てきた英単語 (English words)

Force Diagram (復習)
意味:力の図、力の図示
A clear force diagram is essential for solving physics problems.
意訳:明確な力の図は、物理の問題を解くために不可欠です。
Visualize
意味:視覚化する、心に思い描く
It helps to visualize the forces acting on the body.
意訳:物体に働く力を視覚化することは助けになります。
Arrow
意味:矢、矢印
We use an arrow to represent a force vector.
意訳:私たちは力のベクトルを表すために矢印を使います。
Proportional
意味:比例した
The length of the arrow should be proportional to the magnitude of the force.
意訳:矢印の長さは力の大きさに比例すべきです。
Object of interest
意味:注目物体、対象物
First, identify the object of interest in the problem.
意訳:まず、問題における注目物体を特定しなさい。
Focus object
意味:注目物体 (Object of interest とほぼ同義)
Let's set the car as our focus object.
意訳:その車を私たちの注目物体としましょう。