評論文対策問題 001
本文(抜粋)
現代における情報技術の進展は、人間の「知る」という営みの意味を根底から揺さぶっている。従来、知識とは書物や教師を通して蓄積されるものだった。しかし、今日では検索エンジン一つで得られる「知識風の断片」が、その場しのぎの理解として消費されていく。ここには、深い理解を得る営みが欠如しているという懸念がある。
【問題】
筆者の主張として最も適当なものを選べ。
- 情報技術は学習を効率化し、知識の獲得を促進している。
- 検索エンジンによって知識は正確に得られるようになった。
- 現代では知識の価値が高まり、より深い理解が求められている。
- 情報技術の進展により、表面的な理解が横行する懸念がある。
- 人間の「知る」営みは常に変化し続けているため、問題はない。
【正解と解説】
正解:4
- 選択肢1:× 表面的理解の危険性を述べており、効率化を肯定していない。
- 選択肢2:× 「正確に得られる」とは本文にない。むしろ懸念を示している。
- 選択肢3:× 「求められている」ではなく「欠如している」と批判。
- 選択肢4:◎ 「表面的な理解の横行」という表現が本文に一致。
- 選択肢5:× 「問題はない」とするのは筆者の主張の真逆。
選択肢を見抜くテクニック:
- 本文の評価語(懸念、欠如など)と合致するか確認
- 「~すべき」「必ず~」など極端な断定に注意
語句説明:
知識風の断片:見かけは知識に見えるが、実際には深い理解につながらないバラバラな情報。