第2章 コラム1: 言葉のレゴブロック!~エスペラントの単語作り~
レゴみたいに言葉を組み立てよう!
みんな、エスペラントの勉強は順調かな? A1レベルのコラムで、エスペラントの単語作りが「まるで言葉のレゴブロックみたいだ」ってお話ししたのを覚えているかな?
基本的な部品(語根 - ごこん、radiko)に、品詞(名詞、形容詞、動詞、副詞)を示す語尾(-o, -a, -as, -e など)をつけるのがエスペラントの単語の基本構造だったよね。例えば、「学ぶ」という考えを表す語根 lern
に…
- 名詞の語尾
-o
をつければ →lerno
(学習) - 動詞不定詞の語尾
-i
をつければ →lerni
(学ぶ) - 動詞現在形の語尾
-as
をつければ →lernas
(学んでいる) - 形容詞の語尾
-a
をつければ →lerna
(学習の) ※あまり使わないかも - 場所の接尾辞
-ej-
と名詞語尾-o
をつければ →lernejo
(学校)
こんな風に、一つの語根から色々な言葉が生まれるんだ。そして、エスペラントの単語作りをさらに面白く、そしてパワフルにしているのが、「接頭辞(せっとうじ、Prefikso - 語根の前につける飾り)」と「接尾辞(せつびじ、Sufikso - 語根の後ろ、品詞語尾の前につける飾り)」なんだ!
今回は、A1・A2レベルで既に出てきたものも含めて、よく使われる基本的な接頭辞と接尾辞をいくつか紹介するね。これらを使いこなせば、君の語彙力は爆発的に増えるはずだよ!
よく使う接頭辞 (Prefiksoj)
mal- (反対の意味を作る)
bona
(良い) → malbona (悪い)granda
(大きい) → malgranda (小さい)ami
(愛する) → malami (憎む)fermi
(閉める) → malfermi (開ける)juna
(若い) → maljuna (年老いた)
Bonvolu malfermi la pordon. (ドアを開けてください。)
re- (再び、戻す、返す)
veni
(来る) → reveni (戻ってくる)doni
(与える) → redoni (返す)legi
(読む) → relegi (読み返す、再読する)vidi
(見る) → revidi (再会する)fari
(する) → refari (やり直す、作り直す)
Ĝis la revido! (また会いましょう! → 再会まで!)
Mi devas redoni la libron morgaŭ. (私は明日その本を返さなければならない。) (
devas
- ~しなければならない)ge- (両性を示すグループ)
patro
(父) → gepatroj (両親)frato
(兄弟) → gefratoj (兄弟姉妹)sinjoro
(~氏、紳士) → gesinjoroj (~夫妻、紳士淑女諸君)
Miaj gepatroj loĝas en kamparo. (私の両親は田舎に住んでいます。) (
kamparo
- 田舎)よく使う接尾辞 (Sufiksoj)
-in- (女性を示す)
patro
(父) → patrino (母)kato
(猫) → katino (雌猫)koko
(雄鶏) → kokino (雌鶏)bela
(美しい) → belulino (美人) (bel + -ul- (人) + -in- + -o)
Mia onklino venos morgaŭ. (私の叔母が明日来ます。) (
onklo
- 叔父)-il- (道具、器具、手段)
tranĉi
(切る) → tranĉilo (ナイフ)ŝlosi
(鍵をかける) → ŝlosilo (鍵)komputi
(計算する) → komputilo (コンピューター)veturi
(乗り物で行く) → veturilo (乗り物)ludi
(遊ぶ) → ludilo (おもちゃ)
Mi ne povas trovi mian ŝlosilon! (私は私の鍵を見つけられません!) (対格!
trovi
- 見つける) La infanoj havas multajn ludilojn. (子供たちはたくさんのおもちゃを持っています。) (複数対格!)
-ej- (~の場所)
lerni
(学ぶ) → lernejo (学校)kuiri
(料理する) → kuirejo (台所)dormi
(寝る) → dormejo (寝室、寮)labori
(働く) → laborejo (仕事場、作業場)preĝi
(祈る) → preĝejo (教会、礼拝堂)
La kuirejo estas tre pura. (台所はとてもきれいです。) (
pura
- 清潔な)-ar- (~の集まり、集合体)
arbo
(木) → arbaro (森)ŝipo
(船) → ŝiparo (艦隊、船団)vorto
(単語) → vortaro (辞書、単語集)homo
(人) → homaro (人類)monto
(山) → montaro (山脈)
Ni promenis en la arbaro. (私たちは森の中を散歩しました。)
Tiu vortaro estas tre utila. (その辞書はとても役に立ちます。) (
utila
- 役に立つ)-ul- (~の性質を持つ人)
juna
(若い) → junulo (若者)bela
(美しい) → belulino (美人) (-in- も使用)sankta
(聖なる) → sanktulo (聖人)riĉa
(裕福な) → riĉulo (金持ち)proksima
(近い) → proksimulo (隣人、身近な人)
Multaj junuloj lernas Esperanton. (多くの若者がエスペラントを学んでいます。)
組み合わせてもっと広がる!
これらの接頭辞や接尾辞は、組み合わせることもできるんだ!例えば…
mal- + san + -ul- + -ej- + -o → malsanulejo
(反対 + 健康 + 人 + 場所 + 名詞 → 病院)
(反対 + 健康 + 人 + 場所 + 名詞 → 病院)
re- + leg + -ind- + -a → releginda
(再び + 読む + ~する価値のある + 形容詞 → 再読する価値のある)
(再び + 読む + ~する価値のある + 形容詞 → 再読する価値のある)
(-ind- は「~する価値のある」という接尾辞だよ!これも便利!)
言葉作りのメリット
この「言葉のレゴブロック」システムには、たくさんのメリットがあるんだ。
- 覚えるのが楽!:たくさんの単語を丸暗記しなくても、語根と接辞の意味を知っていれば、新しい単語の意味を推測したり、自分で作ったりできる。
- 表現力が豊か!:微妙なニュアンスの違いを、接辞を使って表現できる。
- 論理的で分かりやすい!:言葉の成り立ちに規則性があるので、一度仕組みを理解すれば、とても分かりやすく感じるはずだよ。
エスペラントの単語作りは、まるでパズルを解くような、あるいは新しいものを創造するような楽しさがあるんだ。これから新しい単語に出会ったら、「これはどんな部品でできているのかな?」って考えてみるのも面白いかもしれないね!