ウルトラ先生のエスペラント語教室

第2章 第5節: 「どこに?」「だれと?」をもっと詳しく ~基本的な前置詞たち~

言葉と言葉をつなぐ「前置詞」って覚えてる?

みんな、A1レベルで「~から (el)」や「~の中に (en)」、「~と一緒に (kun)」、「~へ (al)」といった言葉を少しだけ勉強したのを覚えているかな?これらのように、名詞や代名詞のかれて、場所、時間、方向、関係などを示す短い言葉のことを「前置詞(ぜんちし、Prepozicio)」って言うんだったね。

前置詞は、文の意味をより詳しく、豊かにするための大切な部品なんだ。「箱」だけじゃなくて、「箱の上の猫」「箱の中のおもちゃ」「箱向かう」みたいに、他の言葉との関係を示すことができる。

このページでは、A1で習った前置詞を復習しつつ、A2レベルでぜひ覚えておきたい基本的な前置詞をたくさん紹介していくよ!例文もたっぷり用意したから、どんな場面で使われるか見ていこう!

A1レベルの復習

  • el (エル) - ~から (出身、材料、中から外へ)
    Mi venas el Japanio. (私は日本から来ました。)
  • en (エン) - ~の中に、~で (場所)
    La libro estas en la sako. (本はカバンの中にあります。)
  • kun (クン) - ~と一緒に
    Mi ludas kun miaj amikoj. (私は友達と一緒に遊びます。)
  • al (アル) - ~へ、~に (方向、相手)
    Mi iras al la stacidomo. (私は駅へ行きます。) (stacidomo - 駅)
    Mi donas floron al vi. (私は花をあなたにあげます。)

A2レベルで学ぶ新しい前置詞たち

さあ、ここからは新しい前置詞だよ!場所、時間、関係など、色々な意味を持つ言葉があるから、例文と一緒に見ていこう。

場所に関する前置詞
  • sur (スール) - ~の上に (接触して)
    La taso estas sur la tablo. (カップはテーブルの上にあります。) (taso - カップ)
    Ne sidu sur la tablo! (テーブルの上に座らないで!)
  • sub (スーブ) - ~の下に
    La kato dormas sub la lito. (猫はベッドの下で寝ています。)
    Kio estas sub la ponto? (橋の下には何がありますか?) (ponto - 橋)
  • apud (アープド) - ~のそばに、~の隣に
    Mia domo estas apud la parko. (私の家は公園のそばにあります。)
    Venu sidi apud mi. (私の隣に座りに来てください。)
  • super (スーパー) - ~の上方に (接触なし)
    La aviadilo flugas super la urbo. (飛行機は都市の上空を飛んでいます。) (aviadilo - 飛行機)
    Pendu la bildon super la fenestro. (窓の上に絵を掛けてください。) (pendi - 掛ける)
  • antaŭ (アンタウ) - ~の前に (場所・時間)
    Li staras antaŭ la pordo. (彼はドアの前に立っています。)
    Mi alvenis antaŭ la tria horo. (私は3時前に到着しました。) (alveni - 到着する)
  • post (ポスト) - ~の後ろに、~の後に (場所・時間)
    La ĝardeno estas post la domo. (庭は家の後ろにあります。)
    Ni parolos post la manĝo. (私たちは食後に話しましょう。)
  • inter (インター) - ~の間に (二者またはそれ以上)
    La parko estas inter la lernejo kaj la stacidomo. (公園は学校と駅の間にあります。)
    Inter ni, tio estas sekreto. (私たちの間では、それは秘密です。) (sekreto - 秘密)
  • ĉirkaŭ (チルカーウ) - ~の周りに、およそ
    Ni sidas ĉirkaŭ la tablo. (私たちはテーブルの周りに座っています。)
    La koncerto komenciĝos ĉirkaŭ la sepa. (コンサートはおよそ7時に始まるでしょう。) (koncerto - コンサート, komenciĝi - 始まる)
時間に関する前置詞 (antaŭ, post 以外)
  • ĝis (ヂス) - ~まで (時間・場所)
    Mi laboros ĝis la kvina horo. (私は5時まで働くでしょう。)
    Iru ĝis la fino de la strato. (通りの終わりまで行きなさい。) (fino - 終わり, strato - 通り)
  • dum (ドゥム) - ~の間 (期間)
    Mi legis libron dum la flugo. (私は飛行の間、本を読みました。) (flugo - 飛行、フライト)
    Ne parolu dum la leciono! (授業中は話さないで!)
関係・手段などに関する前置詞
  • por (ポール) - ~のために (目的、受益者)
    Mi aĉetis donacon por vi. (私はあなたのためにプレゼントを買いました。) (aĉeti - 買う, donaco - プレゼント)
    Tiu libro estas por infanoj. (その本は子供向けです(子供のための本です)。)
  • pro (プロ) - ~のために (原因・理由)
    Mi malfruis pro la pluvo. (私は雨のために遅れました。) (malfrui - 遅れる, pluvo - 雨)
    Dankon pro via helpo! (あなたの助け(のおかげ)に感謝します!)

    por (目的) と pro (原因) は意味が違うから気をつけてね!

  • per (ペル) - ~によって、~で (手段・道具)
    Mi skribas per krajono. (私は鉛筆で書きます。) (skribi - 書く, krajono - 鉛筆)
    Ni veturas per aŭto. (私たちは車で旅行します。) (veturi - 旅行する、乗り物で行く)
  • sen (セン) - ~なしに
    Mi trinkas kafon sen sukero. (私は砂糖なしでコーヒーを飲みます。) (trinki - 飲む, kafo - コーヒー, sukero - 砂糖)
    Oni ne povas vivi sen aero. (人は空気なしでは生きられない。) (vivi - 生きる, aero - 空気)
  • pri (プリ) - ~について
    Mi volas paroli pri mia vojaĝo. (私は私の旅行について話したいです。) (voli - ~したい, vojaĝo - 旅行)
    Kion vi pensas pri tio? (あなたはそのことについてどう思いますか?) (pensi - 考える)
  • kontraŭ (コントラゥ) - ~に対して、~に反対して
    Li batalis kontraŭ la malamiko. (彼は敵に対して戦った。) (batali - 戦う, malamiko - 敵)
    Mi estas kontraŭ tiu plano. (私はその計画に反対です。) (plano - 計画)
  • laŭ (ラゥ) - ~に従って、~によれば
    Ni agu laŭ la reguloj. (私たちは規則に従って行動しましょう。) (agi - 行動する, regulo - 規則)
    Laŭ mia opinio, tio estas bona ideo. (私の意見によれば、それは良い考えです。) (opinio - 意見)
  • krom (クロム) - ~を除いて、~の他に
    Ĉiuj venis krom Petro. (ペトロを除いて全員が来た。) (ĉiuj - 全員)
    Krom kafo, mi trinkis ankaŭ teon. (コーヒーの他に、私はお茶も飲んだ。) (teo - お茶)

忘れないで!前置詞と対格の関係 (復習)

基本的には、前置詞の後ろの名詞や代名詞に-nはつかないよ。

でも、場所を表す前置詞sur, en, sub, apud, antaŭ, post など)の後ろで、「~へ」という方向・移動の到達点を示すときは、特別に-nがつくのを思い出してね!

例: La muso kuris sub la tablon. (ネズミはテーブルの下へ走っていった。) (muso - ネズミ)

まとめ:前置詞で表現をもっと豊かに!

たくさんの前置詞が出てきたね!全部一度に覚えるのは大変かもしれないけど、例文を何度も読んだり、自分で文を作ってみたりするうちに、自然と使い方が分かってくるよ。

前置詞を上手に使えるようになると、「いつ」「どこで」「だれと」「何を使って」「何のために」といった情報を正確に伝えられるようになって、君のエスペラントはもっともっと豊かになるんだ。色々な前置詞を試してみてね!