3-5: to不定詞だけで大丈夫？【他の表現との比較・言い換え】
第3章もいよいよ大詰めです！これまで、to不定詞の奥深い用法について学んできましたね。 to不定詞は非常に便利な表現ですが、実は同じような内容を他の文法（例えば that節、動名詞、助動詞など）を使って表すこともできます。
このページでは、to不定詞の表現を他の表現に言い換える方法や、その際に生じるニュアンスの違い、どちらがより自然か、などを比較検討していきます。 これにより、あなたの英語表現の選択肢はさらに広がり、より細やかなニュアンスを伝えられるようになるでしょう。
表現の道は一つじゃない！
同じゴール（伝えたい内容）へも、色々な道（表現方法）があります。
A. to不定詞 ⇔ that節 との言い換え
That節 (that + 主語 + 動詞 ...) は、名詞節として「～ということ」という意味を表したり、副詞節として目的や結果を表したりします。to不定詞の多くの用法と意味的に近い関係にあります。
1. 名詞的用法：「～すること」
To learn a new language is exciting.
⇔ It is exciting that one learns a new language. (やや硬い)
My hope is to travel around the world.
⇔ My hope is that I will travel around the world.
I don't know what to do.
⇔ I don't know what I should do.
ポイント：to不定詞の方が簡潔になることが多いです。that節は主語・動詞を明確にしたい場合に用いられます。
2. 形容詞的用法：「～するための/～すべき」
I need a friend to help me.
⇔ I need a friend who can/will help me.
This is the best way to solve the problem.
⇔ This is the best way in which we can solve the problem. / This is how we can solve the problem.
ポイント：to不定詞は簡潔ですが、関係詞節の方がより具体的な情報（誰が、いつなど）を加えやすいです。
3. 副詞的用法：「目的」「結果」「感情の原因」「判断の根拠」
目的: I study hard to pass the exam.
⇔ I study hard so that I can/will pass the exam.
結果: He grew up to be a doctor.
⇔ He grew up, and as a result he became a doctor.
感情の原因: I am glad to see you.
⇔ I am glad that I can see you.
判断の根拠: He must be rich to own such a car.
⇔ He must be rich, because he owns such a car.
ポイント：to不定詞は簡潔さ、副詞節は論理関係の明確さが特徴です。
B. to不定詞 ⇔ 動名詞 との言い換え (総まとめ)
「～すること」という名詞的な意味では、to不定詞と動名詞はライバルのような関係です。使い分けのポイントをもう一度整理しましょう (1-8, 2-8の復習)。
- 主語として：To swim / Swimming is fun. (動名詞の方が一般的で自然なことが多い)
- 目的語として：動詞によって使い分ける (want to do, enjoy -ing)、どちらもOKで意味同じ (like, start)、意味が変わる (remember, try)。
コアイメージ：to不定詞 → 未来志向・具体的・一時的・意志的 / 動名詞 → 過去志向・一般的・習慣的・経験的
C. to不定詞 ⇔ 助動詞を使った表現との言い換え
to不定詞、特にbe to不定詞などは、助動詞が持つニュアンスと近い意味を表すことがあります。
1. be to不定詞 (2-5参照)
You are to finish it by tomorrow.
⇔ You should/must finish it by tomorrow.
The meeting is to be held next week.
⇔ The meeting will be held next week.
Nothing was to be seen.
⇔ Nothing could be seen.
2. その他のto不定詞構文
It is necessary for you to go.
⇔ You must/should go.
She has the ability to solve the problem.
⇔ She can solve the problem.
ポイント：助動詞は話し手の判断を直接的に、to不定詞構文はより客観的・フォーマルな響きを持つことがあります。
言い換えの際の注意点
- 完全一致ではない：言い換え可能でもニュアンスが異なることが多い。
- 自然さ：文法的に正しくても不自然な場合がある。
- 簡潔さ vs 詳細さ：to不定詞は簡潔、that節は詳細。
これらの言い換えパターンを知ることで、読解力が深まり、表現の選択肢が増えます。