see

see — 「見る」三部作(`look`, `watch`, `see`)の最後を飾る、最も基本的で奥が深い動詞です。「見る」だけでなく、「会う」「わかる」といった日常会話に不可欠な意味も持ちます。

このページでは、seeのコアイメージである「自然な知覚」と「理解」を元に、①`look`/`watch`との最終的な使い分け、②`see`が持つ多様な意味、③応用構文`see O do/doing`まで、冠詞ルール解説付きで徹底的にマスターします。

ステップ1:動詞seeの不規則活用

see も不規則動詞です。過去形saw、過去分詞形seenの形をしっかり覚えましょう。

活用形例文(クリックで発音)
原形 (Base Form)seeI can see the ocean.
三単現形 (3rd Person Singular)seesHe sees things differently.
過去形 (Past)sawI saw him yesterday.
過去分詞形 (Past Participle)seenHave you seen this movie?
現在分詞形 (Present Participle)seeingI'm seeing someone.

ステップ2:seeのコアイメージとlook/watchとの最終確認

see の鍵は、その「意図しない自然な知覚」と「本質の理解」にあります。

seeのコアイメージ:「対象が自然と『視界に入る』状態、または頭の中で『理解が生まれる』状態」

see の本質は、意識的に視線を向ける(`look`)のではなく、目を開けていれば自然と情報が「視界に入ってくる」という状態です。また、物事の表面だけでなく、その本質や意味が頭の中にスッと入ってくる「理解」の感覚も表します。

最終確認: look, see, watch の使い分け

これで三部作は完璧です。それぞれの動詞の専門領域を再確認しましょう。

ステップ3:本動詞seeの基本パターン

「見える」というコアイメージが、様々な意味に発展していく様子を見ていきましょう。

① [物・人]が目に入る、見える

意図せずとも、何かが視界に入ってくる、という最も基本的な使い方です。

例文:I saw a shooting star last night. (昨夜、流れ星を見ました。)

冠詞ルール: a shooting star - 「(たくさんある星の中から)一つの流れ星」という不特定のものを指すため、不定冠詞`a`が付きます。

例文:From the top of the tower, you can see the entire city. (そのタワーの頂上から、街全体を見ることができます。)

冠詞ルール: the top, the tower, the entire city - すべて、文脈上「そのタワーの頂上」「その街全体」と特定できるため、定冠詞`the`が付きます。

② [人]と会う

`meet`と似ていますが、より日常的で、偶然・計画的の両方で使われる非常に一般的な表現です。

例文:I'm going to see a client this afternoon. (今日の午後、顧客と会う予定です。)

冠詞ルール: a client - 「(複数いる顧客のうちの)ある一人」なので`a`が付きます。

例文:It was great to see you again. (またあなたに会えて本当によかったです。)

冠詞ルール: `you`は代名詞なので冠詞は不要です。

③ [映画・試合など]を見る、観賞する

特に映画館や劇場、スタジアムなど、特定の場所へ「出かけて見る」というニュアンスで`watch`の代わりによく使われます。

例文:We saw a fantastic musical last weekend. (私たちは先週末、素晴らしいミュージカルを観た。)

冠詞ルール: a fantastic musical - 「ある一つの素晴らしいミュージカル」なので`a`が付きます。

④ わかる、理解する

物事の本質が「見える」ことから、「理解する」という意味で使われる、非常に重要な用法です。相槌の`I see.`は「なるほど」という意味です。

例文:I see what you mean, but I have a different opinion. (あなたの言いたいことはわかりますが、私は違う意見です。)

冠詞ルール: a different opinion - 「一つの異なる意見」なので`a`が付きます。`what you mean`は「あなたが意味すること」という情報の塊(名詞節)です。

⑤ see O do / doing (知覚動詞の構文)

「Oが〜するのを見る」という、応用的ながら非常に便利な構文です。

do vs doing のニュアンス

see O do (原形): Oが〜するのを最初から最後まで「全部見た」というニュアンス。
see O doing (-ing形): Oが〜している最中の「一場面を見た」というニュアンス。

例文:I saw a child fall down. (私は子供が転ぶのを(初めから終わりまで)見た。)

冠詞ルール: a child - 不特定の「一人の子供」。

例文:I saw a man sleeping on the bench. (私は男性がベンチで寝ているのを(その場面を)見た。)

冠詞ルール: a man - 不特定の「一人の男性」。the bench - 特定のベンチ。

ステップ4:seeを使った頻出表現

例文:You should see a doctor about that cough. (その咳については医者に診てもらうべきですよ。)

冠詞ルール: a doctor - 特定の医者ではなく「医者という専門家」に診てもらう、という意味で`a`が使われます。that cough - 指示詞で特定。

例文:Let me see... I think the blue one is better. (ええっと…。青い方が良いと思います。)

冠詞ルール: `Let me see`は「考えさせてください」という意味の定型句。the blue one - 選択肢の中の特定の「青い方」なので`the`が付きます。

まとめ:seeマスターへの最終確認

お疲れ様でした!これで「見る」三部作は完結です。`see`の持つ「知覚」と「理解」のコアイメージが、その多様な意味の根底にあることがお分かりいただけたでしょうか。

`look`, `watch`, `see`を自在に操れるようになれば、あなたの英語の表現力は格段に向上します。これからは、何かを「見る」すべての場面で、この3つの動詞の違いを意識してみてください!