不定冠詞(a/an)
不定冠詞の定義
- 不定冠詞(a/an): 数えられる名詞(単数)の前に使い、特定ではない「1つの」ものを指す。「a」は子音音で始まる名詞、「an」は母音音で始まる名詞に使用。
- 役割: 新しい情報や初めて言及するものを導入。特定でない、または一般的なものを示す。
不定冠詞の主な用法
1. 初めて言及する数えられる名詞(単数)
- 定義: 聞き手・読み手に初めて紹介する、特定ではない「1つの」もの。
- 例:
- I saw a dog in the park.(公園で犬を見た=初出、特定でない)
- She bought an apple.(リンゴを買った=初出)
- He has a car.(彼は車を持っている=特定でない車)
- I need an umbrella.(傘が必要だ=どれでもいい1本)
- We met a student yesterday.(昨日、学生に会った)
- She wants an orange.(オレンジが欲しい)
- I read a book last night.(昨夜、本を読んだ)
- He found an interesting article.(面白い記事を見つけた)
- They adopted a cat.(猫を飼った)
- I ate an egg for breakfast.(朝食に卵を食べた)
2. 一般的なものや分類を表す
- 定義: 特定の1つではなく、その種類やカテゴリーを代表する「1つの」ものを示す。
- 例:
- A lion is a dangerous animal.(ライオンは危険な動物だ=一般的なライオン)
- An elephant never forgets.(ゾウは決して忘れない=ゾウという種)
- A teacher helps students.(教師は生徒を助ける=教師全般)
- An apple a day keeps the doctor away.(1日1個のリンゴで医者いらず=一般論)
- A dog is loyal.(犬は忠実だ=犬の特徴)
- An engineer designs machines.(エンジニアは機械を設計する)
- A rose is beautiful.(バラは美しい=バラ全般)
- An owl is a nocturnal bird.(フクロウは夜行性の鳥だ)
- A computer is useful.(コンピューターは便利だ=一般論)
- An ant works hard.(アリは一生懸命働く)
3. 「a」と「an」の使い分け
- 定義: 「a」は子音音で始まる名詞、「an」は母音音(/æ/, /ɛ/, /ɪ/, /ɒ/, /ʌ/)で始まる名詞に使用。発音基準で判断。
- 例:
- A cat(/k/=子音音) vs. An apple(/æ/=母音音)
- A book(/b/) vs. An egg(/ɛ/)
- A dog(/d/) vs. An igloo(/ɪ/)
- A table(/t/) vs. An orange(/ɒ/)
- A pen(/p/) vs. An umbrella(/ʌ/)
- 特例:
- A university(/j/=子音音) vs. An hour(/aʊ/=母音音で「h」発音しない)
- A European(/j/) vs. An elephant(/ɛ/)
例文とドリル
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誤用しやすいポイント
- 数えられない名詞にa/anを使わない: 「I need a water」は誤り。正: 「I need water」または「a bottle of water」。
- 複数形にa/anを使わない: 「I have a cats」は誤り。正: 「I have cats」。
- 特定なものには定冠詞: 「I saw a dog(初出)」の後、「The dog was big(同じ犬)」。
- 発音でa/anを判断: 「An university」は誤り(/j/は子音音)。正: 「A university」。
- 抽象的な数えられない名詞に注意: 「I have an experience」は可(具体的な出来事)。「I have experience」は不可(抽象的経験)。