「その」と特定する定冠詞 "el" と "la"
不特定の「ひとつ」から、特定の「ひとつ」へ。冠詞の役割をさらに深めます。
特定の「ひとつ」を指し示す
前回は `un/una` という「(たくさんある中の)どれでもいい一つ」を表す不定冠詞を学びました。今回は、英語の `the` にあたる「定冠詞」です。話し手と聞き手の両方が「ああ、あれね!」と分かる、特定のものを指し示すときに使います。
そして、もうお分かりですね。この定冠詞も、不定冠詞と同じように、後ろに来る名詞の性別によって形を変えます。
① 男性名詞単数には `el`
`libro` (本) のような男性名詞が、特定の一冊を指す場合は `el libro` となります。
② 女性名詞単数には `la`
`mesa` (机) のような女性名詞が、特定の一つを指す場合は `la mesa` となります。
不定冠詞と定冠詞の使い分け
これは英語の `a` と `the` の関係と同じです。初めて話題に出すときは不定冠詞を使い、一度話題に出たものを再び指すときは定冠詞を使います。
まとめ
`un/una` は「不特定の一つ」、`el/la` は「特定の一つ」。この違いを意識し、常に名詞の性を確認しながら適切な冠詞を選ぶことが、正確なスペイン語への道です。次は、複数のものを特定する場合の定冠詞を学びましょう。