Lesson 71: 複雑な名詞節・副詞節の構造 - (先行詞を伴わないwhere/when節、譲歩のas節など)
Lesson 71 です!前回は高度な接続副詞を学び、論理的な文章構成力がアップしましたね。 今回は、これまでに学んだ名詞節や副詞節が、さらに複雑な形で使われるパターンや、少し特殊な意味を持つ用法に焦点を当てます。 C2レベルの読解や表現には、このような多様な節の形を理解することが不可欠です。
1. 先行詞を伴わない関係副詞の節(名詞節としての働き)
関係副詞の「when (~するとき)」「where (~するところ)」は、通常、時や場所を表す先行詞を修飾する副詞節を作りましたね (Lesson 44)。 しかし、これらの関係副詞が先行詞を伴わずに、それ自体で「いつ~するかということ」「どこで~するかということ」という意味の名詞節を導くことがあります。
where節が名詞節になる場合
「私は、私がそれをどこで取るか知っている。」
I know where I take it.
この文では、「where I take it」が「私がそれを取る場所」という意味の名詞節になり、動詞「know」の目的語になっています。 これは「I know the place where I take it.」の「the place」が省略された形と考えることもできます。
when節が名詞節になる場合
「私がそれをいつ取るかは重要だ。」
When I take it is important.
この文では、「When I take it」が「私がそれを取る時」という意味の名詞節になり、文全体の主語になっています。
2. 譲歩を表す「as」の特別な用法 (形容詞/副詞/名詞 + as + S + V)
接続詞「as」には様々な意味がありますが、ここでは「~だけれども」「~ではあるが」という譲歩の意味を表す特別な語順の構文を紹介します。 「形容詞/副詞/(冠詞なしの)名詞 + as + 主語 + 動詞 ...」という形を取ります。 この構文は文語的で、やや硬い印象を与えます。
私たちのルールでは形容詞は限定的なので、「rich (お金持ちの)」という形容詞を一時的に使います。 「私はお金持ちではあるけれども、それを取ることはできない。」
Rich as I am, I cannot take it.
「Rich as I am」が「私はお金持ちではあるけれども」という意味の譲歩の副詞節を作っています。 これは「Although I am rich, I cannot take it.」とほぼ同じ意味です。形容詞「Rich」が文頭に出ているのが特徴ですね。
動詞「take」を使ってこの構文を作るのは難しいですが、例えば「Much as I take it, I want more. (それをたくさん取ってはいるけれども、もっと欲しい。)」のように副詞を前に出すことも可能です。
3. 「no matter + 疑問詞」 / 「疑問詞-ever」 (譲歩の副詞節)
Lesson 45の豆知識で少し触れましたが、複合関係詞が副詞節を作ると「たとえ誰が/何を/いつ/どこで/どんなに~しようとも」という譲歩の意味になるんでしたね。 これは「no matter + 疑問詞」の形でもよく表現されます。
- No matter what I take, I am not satisfied. (私が何を取ろうとも、私は満足しない。)
≒ Whatever I take, I am not satisfied. - No matter how much I take it, it is not enough. (私がそれをどんなに多く取ろうとも、それは十分ではない。)
≒ However much I take it, it is not enough.
No matter what I take, I will try my best. (私が何を取ろうとも、最善を尽くすだろう。)
✨ ミラクル先生のちょっと一言:節の役割を見抜く! ✨
英語の文が複雑になってくると、一つの節(主語+動詞の組)が文全体の中でどのような役割(名詞節なのか、形容詞節なのか、副詞節なのか)を果たしているのかを見抜くことが非常に重要になります。
名詞節: 文の主語(S)、目的語(O)、補語(C)になる。「~ということ」「~するかどうか」「何が~か」など。
例: What I take is important. (S) / I know what I take. (O)
形容詞節 (関係詞節): 先行する名詞を修飾する。「~する(ところの)名詞」
例: the thing that I take
副詞節: 主節の動詞や文全体を修飾し、時・場所・理由・条件・譲歩などの情報を加える。
例: I take it when I can. / Although I need it, I cannot take it.
特に、"when" や "where" は、関係副詞として形容詞節を導くこともあれば (the day when...)、接続詞として副詞節を導くこともあれば (When I take it, ...)、そして今回のように名詞節を導くこともあります (I know when I take it.)。
それぞれの節が文の中でどんな「部品」として機能しているのかを常に意識することで、複雑な文も正確に理解できるようになりますよ!
複雑な節の構造、いかがでしたか? これらを理解し使いこなせるようになると、よりニュアンス豊かで論理的な英語表現が可能になります。 C2レベルへの道は、こうした細部への理解も大切ですね!