Lesson 65: 様々な助動詞の推量表現 - (may, might, can, could, must, should, will, would + 現在/完了形)
Lesson 65 です!仮定法を用いた様々な表現、慣れてきましたか? 今回は、これまでに個別に学んできた「助動詞」が、「推量(すいりょう)」つまり「~かもしれない」「~に違いない」「~のはずだ」といった、話し手の確信度合いを表すためにどのように使われるかをまとめて見ていきます。 特に、助動詞の後に「have + 過去分詞」が続くことで、過去の出来事についての推量を表す形が重要です。
1. 現在または未来についての推量 (助動詞 + 動詞の原形)
助動詞の後ろに動詞の原形を続けることで、現在の状況や未来の出来事について、様々な確信度で推量することができます。 私たちの基本例文「I take it.」を使って、「私がそれを取る」ということについての推量を考えてみましょう。(ただし、自分自身の行動について推量するのは少し不自然な場合もあるので、例文の主語を一時的に「he」などに置き換えて想像するのも良いでしょう。)
- must take it: (私がそれを)取るに違いない。(ほぼ100%の確信)
- will take it: (私がそれを)取るだろう。(未来の確実な予測、意志とは別)
- should take it: (私がそれを)取るはずだ。(期待、当然の推測)
- may take it: (私がそれを)取るかもしれない。(50%程度の可能性)
- might take it: (私がそれを)取るかもしれない。(mayより少し低い可能性、30%程度)
- can take it: (私がそれを)取ることはありうる。(理論的な可能性、時に驚き)
- could take it: (私がそれを)取ることもありうるかもしれない。(canより控えめな可能性)
I may take it. (私はそれを取るかもしれない。)
I must take it. (私はそれを取るに違いない。)
2. 過去についての推量 (助動詞 + have + 過去分詞)
過去の出来事について「~だったかもしれない」「~だったに違いない」と推量する場合は、「助動詞 + have + 過去分詞」の形を使います。 「take」の過去分詞は「taken」でしたね。
- must have taken it: (私がそれを)取ったに違いない。
- should have taken it: (私がそれを)取ったはずだ(実際はそうではなかったかもしれない、時に後悔のニュアンスも)。
- may have taken it: (私がそれを)取ったかもしれない。
- might have taken it: (私がそれを)取ったかもしれない。(may haveより可能性が低い)
- could have taken it: (私がそれを)取った可能性もあった(実際は取らなかった)。または、取れたはずだ(のにしなかった)。
- cannot / can't have taken it: (私がそれを)取ったはずがない。(※must have の否定はこれ)
- would have taken it: (もし条件が揃っていれば、私がそれを)取っただろうに。(仮定法の結果節で使われる形)
I may have taken it. (私はそれを取ったかもしれない。)
I must have taken it. (私はそれを取ったに違いない。)
✨ ミラクル先生のちょっと一言:推量の確信度と否定形 ✨
助動詞による推量の確信度は、大まかに以下のような順序で考えられます(あくまで目安です)。
確信度高 ↑
- must (~に違いない)
- will (~だろう ※未来の確実な予測)
- should / ought to (~のはずだ)
- may (~かもしれない)
- can / could (~ありうる)
- might (~かもしれない ※mayより低い)
確信度低 ↓
否定の推量:
- 「~のはずがない」: cannot (can't) / could not (couldn't)
例: I cannot take it. (私がそれを取るはずがない。)
例: I can't have taken it. (私がそれを取ったはずがない。) - 「~ではないかもしれない」: may not / might not
例: I may not take it. (私はそれを取らないかもしれない。)
例: I may not have taken it. (私はそれを取らなかったかもしれない。) - 「~ではないに違いない」: mustの否定「must not」は「~してはいけない」という禁止の意味が強いので、推量の否定「~でないに違いない」にはあまり使いません。代わりに「cannot」などを使います。
このように、助動詞とその後ろに続く形 (原形か have+過去分詞か) で、いつのことについての、どの程度の確信度の推量なのかを表現し分けることができます。非常に奥深いですね!
助動詞を使った推量の表現、いかがでしたか? これらの使い分けができると、より微妙なニュアンスを伝えることが可能になります。 たくさんの例文に触れて、それぞれの助動詞が持つ「確信度」の感覚を掴んでくださいね。