Lesson 52: ~ならいいのに - 私がそれを取ればいいのに (I wish...)
Lesson 52 です!仮定法過去と仮定法過去完了、しっかり復習できましたか? 今回は、仮定法を使ったもう一つの重要な表現、「I wish...」です。「~ならいいのになあ」という、現在の事実に反する願望や、過去の出来事に対する後悔を表すときに使います。
「I wish...」の基本的な使い方
「I wish」の後ろに続く節の動詞の形が、仮定法過去や仮定法過去完了と同じルールに従います。
- 現在の事実に反する願望(~ならいいのに): I wish + 主語 + 動詞の過去形 ...
- 過去の事実に反する願望・後悔(~だったらよかったのに): I wish + 主語 + had + 過去分詞 ...
現在の願望: I wish I took it.
「私がそれを(今)取ればいいのになあ。」(実際は取っていない、または取れない)
- 願望を表す主節「I wish」
- 願望の内容を表す節(仮定法過去)「I took it」
- 主語「I」、動詞の過去形「took」、目的語「it」
I wish I took it.
ここでも「took」と過去形ですが、話しているのは「現在の」満たされない願望です。
過去の願望・後悔: I wish I had taken it.
「私がそれを(あの時)取っていたらよかったのになあ。」(実際は取らなかったことへの後悔)
- 願望を表す主節「I wish」
- 願望の内容を表す節(仮定法過去完了)「I had taken it」
- 主語「I」、過去完了形「had taken」、目的語「it」
I wish I had taken it.
「had taken」という過去完了の形が、過去の出来事に対する「ああすればよかった」という気持ちを表しています。
✨ ミラクル先生のちょっと一言:「I wish」と「I hope」の違いって? ✨
「~だといいな」という願望を表すとき、「I wish...」と「I hope...」のどちらを使えばいいか迷うことがありますね。この二つはニュアンスが大きく異なります。
- I wish + 仮定法: 実現の可能性が低い、または現実と反対のことに対する願望。「(実際は違うけど)~ならいいのになあ」という気持ち。
例: I wish I could fly. (飛べたらいいのになあ。→実際は飛べない) - I hope + 直接法 (普通の時制): 実現の可能性があることに対する願望。「~だといいな」「~であることを願う」という気持ち。
例: I hope I can take it tomorrow. (明日それを取れるといいな。→取れる可能性がある) 例: I hope it will be fine tomorrow. (明日晴れるといいな。)
つまり、「I wish」は「現実離れした夢」や「叶わぬ願い」、「後悔」といったニュアンスが強く、「I hope」は「実現可能な期待」を表す、と覚えておくと良いでしょう。
また、「I wish」の後には、未来のことに対する願望として「主語 + would + 動詞の原形」が続くこともあります。「(これから)~してくれたらなあ」という、相手の意志に対する願望や不満を表すことが多いです。例: I wish I would take it. (私がそれを(これから)取ることになればいいのに。) ※この例文は少し不自然ですが、形として。普通は I wish you would help me. (あなたが手伝ってくれたらなあ。) のように使います。
「I wish...」を使って、心の中の様々な「~ならいいのに」を表現できるようになりましたね! 仮定法の使い方がさらに広がりました。