第5章 ビットコイン、どうやって手に入れる? ~安全に持つためのステップ~
5-1. お店で買う?「取引所」を使ってみよう!
ビットコインって、どうやったら自分のものにできるんだろう? まるでお店でジュースを買うみたいに、どこかで「ビットコインください!」って言えば買えるのかな?
実は、ビットコインを手に入れる一番メジャーで、多くの人が利用している方法が、「暗号資産取引所(あんごうしさんとりひきじょ)」(単に「取引所」とも言うよ)を使うことなんだ。このページでは、取引所がどんなところで、どうやって利用するのか、そして選ぶときのポイントや注意点を一緒に見ていこう!
暗号資産取引所って、どんなところ?
暗号資産取引所は、株を買ったり売ったりする「証券会社」にちょっと似ているかもしれないね。主な役割はこんな感じだ。
- ビットコインなどの暗号資産を買いたい人と、売りたい人をマッチングさせて、売買の「市場(しじょう)」を提供するところ。
- 私たちが普段使っている日本円などの法定通貨と、ビットコインなどの暗号資産を交換できる場所。
- 多くの場合、買った暗号資産を一時的に預かってくれるウォレット機能も提供しているよ。(でも、ここにずっと預けっぱなしにするのは、実は注意が必要なんだ。その話はまた後でね!)
取引所の「形式」には種類があるの? ~取引所形式と販売所形式~
日本の暗号資産取引所には、主に2つの取引の形式があるんだ。それぞれの特徴を知っておくと、自分に合った方法を選べるよ。
📈 取引所形式 (ユーザー同士の売買)
「取引所」と聞いて多くの人がイメージするのがこの形式かもしれないね。ここでは、ビットコインを買いたい人たちと売りたい人たちが、それぞれ「この値段でこれだけ欲しい!」「この値段でこれだけ売りたい!」という注文(オーダー)を「板(いた)」と呼ばれる掲示板みたいなところに出し合うんだ。
値段が折り合えば売買が成立する。株の取引とすごく似ているね。価格は、まさに買いたい人と売りたい人のバランス(需要と供給)で決まるんだ。
- メリット: 一般的に、次に出てくる「販売所形式」よりも手数料が安く済むことが多い。自分の希望する価格で注文を出せる(指値注文)。
- デメリット: 注文が複雑に感じる初心者もいるかもしれない。希望の価格でなかなか売買が成立しないこともある。
取引所形式のイメージ
🛍️ 販売所形式 (取引所との売買)
こちらは、取引所自身がお店屋さんみたいになっていて、取引所が「今ならビットコインをこの値段で売りますよ」「この値段で買い取りますよ」と提示した価格で、お客さんが直接ビットコインを売買する形式だ。
操作がとっても簡単で、初心者でも分かりやすいのが特徴だよ。
- メリット: 操作がシンプルで、すぐに確実に売買できる。
- デメリット: 一般的に、取引所が提示する買値と売値の間に「スプレッド」と呼ばれる価格差があって、これが実質的な手数料になる。取引所形式と比べると、コストが高くなることが多い。
販売所形式のイメージ
どちらの形式が良いかは、その人の経験や目的によって違うけど、最初は販売所で少額から試してみて、慣れてきたら取引所形式に挑戦してみる、というのも良いかもしれないね。
日本の取引所、どう選ぶ? ~チェックポイント~
日本にもたくさんの暗号資産取引所があるけど、どこを選んだらいいんだろう? 大切な資産を預けるかもしれない場所だから、慎重に選びたいよね。こんなポイントをチェックしてみよう!
- 絶対に確認!金融庁の「登録業者」であること!
これが一番大事! 日本で暗号資産交換業を行うには、金融庁・財務局への登録が法律で義務付けられている。無登録の海外業者などを安易に使うのは、トラブルが起きた時に日本の法律で守ってもらえない可能性があって、すごく危険だよ。金融庁のウェブサイトには登録業者の一覧が公開されているから、必ず確認しよう。(第3章で学んだけど、昔あった「みなし業者」っていう制度は、もう基本的にないからね!) - セキュリティ対策は万全か?
過去の事件を教訓に、日本の取引所はセキュリティ対策を強化しているけど、それでも100%安全とは言い切れない。お客さんの資産をどうやって守っているか(例えば、大部分をインターネットから隔離されたコールドウォレットで管理しているか、不正アクセスを防ぐ仕組みはしっかりしているか、など)を、ウェブサイトなどでしっかり確認しよう。過去にハッキング被害があった取引所の場合は、その時の対応がどうだったかも参考になるかもしれない。 - 取り扱っている暗号資産の種類は?
ビットコイン以外の暗号資産(アルトコイン)も取引したい場合は、どんな種類を扱っているか確認しよう。でも、最初はビットコインだけで十分かもしれないね。 - 手数料はどれくらい?
取引手数料(売買ごとにかかるお金)、日本円や暗号資産を入れたり出したりするときの入出金手数料など、色々ある。安い方が嬉しいけど、手数料の安さだけで選ぶのは禁物。セキュリティや信頼性とのバランスが大事だよ。 - ウェブサイトやアプリは使いやすい?
特に初心者にとっては、画面が見やすくて、操作が直感的に分かりやすいかどうかも重要だね。 - 取引は活発?(流動性)
たくさんの人が取引している(取引量が多い)取引所ほど、自分が買いたい時にスムーズに買えたり、売りたい時にすぐに売れたりしやすい。これを「流動性が高い」って言うよ。流動性が低いと、希望の価格で売買できなかったり、売値と買値の差(スプレッド)がすごく大きくなっちゃったりすることがある。 - 困ったときのサポート体制は?
日本語でちゃんと問い合わせできるか、対応時間はいつか、なども確認しておくと安心だね。 - 運営している会社は信頼できる?
どんな会社が運営しているのか、会社の情報(資本金の額や経営陣など)も見ておくと良いかもしれない。
日本国内には、例えばビットフライヤー(bitFlyer)さん、コインチェック(Coincheck)さん(事件後、体制を強化して再出発したよ!)、GMOコインさん、DMM Bitcoinさん、ビットバンク(bitbank)さんなど、金融庁に登録された取引所がいくつかある。それぞれの特徴を比較して、自分に合いそうなところを選ぶのが大切だね。(特定の取引所をオススメするわけじゃないから、自分でしっかり調べてね!)
取引所の口座開設、どうやるの? (一般的な流れ)
日本の多くの暗号資産取引所では、未成年者が自分の名前で口座を作ることは、法律や取引所のルールで厳しく制限されているんだ(例えば、20歳未満はダメ、とか、18歳未満はダメで親の同意があってもダメ、とかね)。
もしどうしてもビットコインに触れてみたい場合は、必ずおうちの人(親権者の方)とよーく相談して、おうちの人の理解と協力のもとで、おうちの人の名前で口座を開設してもらうなど、絶対に正しいルールに従ってね。こっそりやろうとしたり、年齢をごまかしたりするのは絶対にダメだよ! 約束だ!
おうちの人の協力を得て口座を開設する場合の、一般的な流れはこんな感じだよ。
- 取引所のウェブサイトにアクセス: まずは、選んだ取引所の公式サイトへ。
- メールアドレス登録とパスワード設定: 指示に従って、メールアドレスを登録し、ログイン用のパスワードを決める。
- 基本情報の入力: 氏名、住所、生年月日、電話番号など、必要な情報を正確に入力する。
- 本人確認書類の提出: 運転免許証やマイナンバーカード、健康保険証など、取引所が指定する本人確認書類を、スマホのカメラで撮影してアップロードすることが多いよ。
- 取引所による審査: 提出した情報や書類をもとに、取引所が審査を行う。数日かかる場合もある。
- 口座開設完了!: 審査に通れば、口座開設完了の連絡が来る。場合によっては、確認のためのハガキが郵送で届くこともあるよ。
- 日本円の入金: 開設された口座に、ビットコインを買うための日本円を入金する。銀行振込やコンビニ入金など、取引所によって色々な方法がある。
- いよいよ取引開始!: 日本円が入金されれば、いよいよビットコインを買うことができるぞ!
取引所でビットコインを買ってみよう! (買い方の基本)
口座にお金を入れたら、いよいよビットコイン購入だ!
- 販売所形式の場合: とっても簡単!取引所が提示しているビットコインの「買値」を見て、買いたい数量(例えば「0.001 BTC」とか、「500円分」とか)を指定して、「買う」ボタンを押せば、だいたいそれで完了!
- 取引所形式(板取引)の場合: 少しだけステップが増えるけど、慣れれば大丈夫。
- まず「板(いた)」と呼ばれる、他の人たちの売り注文と買い注文がズラッと並んだ表を見る。ここには「いくらで売りたいか/買いたいか」という価格と、「どれくらいの量か」という数量が表示されている。
- 注文方法を選ぶ。主なものは2つ。
- 指値(さしね)注文: 「1BTC=○○円になったら、△BTC買いたい」というように、自分で価格を指定して注文を出す方法。希望の価格になるまで売買は成立しないけど、思ったより高く買っちゃう心配がない。
- 成行(なりゆき)注文: 「今すぐ、いくらでもいいから△BTC買いたい!」というように、価格を指定せずに、その時の市場で一番有利な価格で即座に売買を成立させる方法。すぐに買えるけど、思わぬ価格で買ってしまうリスクもある。
- 注文方法と、買いたい数量(と、指値なら価格)を入力して、注文を出す。
🚨 取引所を使う上で、絶対に守ってほしい超・超・超重要な注意点!
ビットコインを手に入れるのはワクワクするけど、安全に使うためには、絶対に守ってほしいことがあるんだ。これは冗談じゃなく、本当に大切だから、しっかり心に刻んでね!
- IDとパスワードは命綱!厳重に管理!: 取引所のログインIDとパスワードは、絶対に誰にも教えちゃダメ! 他のサービスで使っているパスワードを使い回すのも絶対にNG! できるだけ複雑で、他の人には推測できないようなものにしよう。そして、紙に書いて安全な場所に保管するなど、忘れないように、でも他人には見られないように管理するんだ。
- 二段階認証は「絶対」設定する!: パスワードだけじゃなくて、もう一つの認証方法(例えば、スマホのSMSに送られてくる確認コードや、Google Authenticatorみたいな認証アプリが表示する一時的なコード)を組み合わせる「二段階認証」は、セキュリティを格段に高める。取引所が提供していたら、必ず設定しよう!
- フィッシング詐欺に絶対ひっかかるな!: 取引所や銀行などを装って、「パスワードを変更してください」「緊急の確認が必要です」みたいな偽物のメールやSMSを送りつけて、IDやパスワードを盗み取ろうとする「フィッシング詐Git」が後を絶たない。怪しいメールのリンクは絶対にクリックしない! 必ず、ブックマークしておいた公式サイトからアクセスするようにしよう。URLが本物かどうかも、よーく確認するんだ。
- 取引所に暗号資産を「長期間、大量に」預けっぱなしにしない!: これ、第3章の事件の教訓でもあったよね! 取引所は、あくまでビットコインを「取引する場所」であって、キミの全財産を預けておく銀行の金庫とは違うんだ。取引所自体がハッキングされたり、万が一倒産したりするリスクは、ゼロじゃない。だから、特に大きな金額のビットコインを買った場合は、できるだけ速やかに、自分で管理する専用の「ウォレット」(これは次のページで詳しく説明するよ!)に移して、自分で安全に保管するのが理想だ。取引所に置いておくのは、すぐに売買する予定のある、少額だけにしておくのが賢明だよ。
- 最初は必ず「少額」から!: 何度も言うけど、最初は本当になくなっても生活に全く困らない、お小遣いの中のさらに一部、くらいから始めること。
- 冷静な判断をいつも心がける!: ビットコインの価格は、時にはものすごく急に上がったり下がったりする。そんな時、焦って「もっと買わなきゃ!」「早く売らなきゃ!」とパニックになると、だいたい失敗する。常に冷静に、自分が決めたルールに従って行動することが大事だよ。
まとめ: 取引所は便利な窓口、でも安全第一!
暗号資産取引所は、ビットコインを手に入れるための、とっても便利で分かりやすい窓口だ。でも、その便利さの裏には、セキュリティのリスクも潜んでいることを忘れちゃいけない。
取引所を賢く選んで、ID・パスワード管理や二段階認証といった基本的なセキュリティ対策をしっかり行い、そして何よりも「自分の資産は自分で守る」という意識を強く持って、安全に利用することが大切だよ。
さて、取引所でビットコインを買う以外にも、手に入れる方法ってあるのかな?
次のページでは、ビットコインが生まれた当初の主な入手方法だった「マイニング(採掘)」について、今でも個人で挑戦できるのか?という点も含めて見ていくことにしよう!
Mamechishiki: What is "KYC/AML/CFT"? (Click to see translation and listen)
KYC stands for "Know Your Customer." It's a process that financial institutions and exchanges use to verify the identity of their clients. AML stands for "Anti-Money Laundering," which are laws and regulations aimed at preventing criminals from disguising illegally obtained funds as legitimate income. CFT stands for "Combating the Financing of Terrorism," referring to efforts to stop funding for terrorist activities. Registered crypto exchanges in Japan (and many other countries) are required to implement strict KYC/AML/CFT procedures to prevent financial crimes.
意訳: KYCは「Know Your Customer(顧客を知る)」の略です。これは金融機関や取引所が顧客の身元を確認するために行うプロセスです。AMLは「Anti-Money Laundering(アンチ・マネーロンダリング)」の略で、犯罪者が不正に得た資金を正当な収入に見せかけるのを防ぐための法律や規制を指します。CFTは「Combating the Financing of Terrorism(テロ資金供与との闘い)」の略で、テロ活動への資金提供を阻止する取り組みを指します。日本(および他の多くの国)の登録された暗号資産交換業者は、金融犯罪を防ぐために厳格なKYC/AML/CFT手続きを実施することが義務付けられています。
このページのまとめ (Summary, Resumen, 摘要)
Summary: The most common way to acquire Bitcoin is through a cryptocurrency exchange. Exchanges act as marketplaces matching buyers and sellers, and can be "exchange-style" (peer-to-peer order books) or "brokerage-style" (buying/selling directly with the exchange, often with higher spreads). When choosing an exchange in Japan, key factors include ensuring it's registered with the Financial Services Agency (FSA), its security measures, fees, usability, liquidity, and customer support. Account creation typically involves email verification, personal information input, and ID verification (KYC). Crucially, minors usually require parental consent/accounts. For security, strong unique passwords, two-factor authentication (2FA), and vigilance against phishing are vital. It's also highly recommended not to store large amounts of crypto on exchanges long-term; moving to a personal wallet is safer.
Resumen: La forma más común de adquirir Bitcoin es a través de una casa de cambio de criptomonedas. Las casas de cambio actúan como mercados que conectan a compradores y vendedores, y pueden ser de "estilo de intercambio" (libros de órdenes entre pares) o de "estilo de corretaje" (compra/venta directa con la casa de cambio, a menudo con diferenciales más altos). Al elegir una casa de cambio en Japón, los factores clave incluyen asegurarse de que esté registrada en la Agencia de Servicios Financieros (FSA), sus medidas de seguridad, tarifas, usabilidad, liquidez y atención al cliente. La creación de una cuenta generalmente implica verificación por correo electrónico, ingreso de información personal y verificación de identidad (KYC). Fundamentalmente, los menores generalmente requieren consentimiento/cuentas de los padres. Para la seguridad, son vitales contraseñas únicas y seguras, autenticación de dos factores (2FA) y vigilancia contra el phishing. También se recomienda encarecidamente no almacenar grandes cantidades de criptomonedas en las casas de cambio a largo plazo; moverlas a una billetera personal es más seguro.
摘要: 获取比特币最常见的方式是通过加密货币交易所。交易所充当撮合买家和卖家的市场,可以是“交易所形式”(点对点订单簿)或“经纪商形式”(直接与交易所进行买卖,通常点差较高)。在日本选择交易所时,关键因素包括确保其已在日本金融服务厅(FSA)注册、其安全措施、费用、易用性、流动性和客户支持。创建账户通常涉及电子邮件验证、个人信息输入和身份验证(KYC)。至关重要的是,未成年人通常需要父母同意/账户。为确保安全,使用强大独特的密码、双因素身份验证(2FA)以及警惕网络钓鱼至关重要。同时强烈建议不要将大量加密货币长期存放在交易所;转移到个人钱包更安全。
日本語の要約: ビットコインを入手する最も一般的な方法は暗号資産取引所を利用することです。取引所は買い手と売り手を結びつける市場として機能し、「取引所形式」(ユーザー間の板取引)と「販売所形式」(取引所と直接売買、スプレッドが高いことが多い)があります。日本の取引所を選ぶ際の重要点は、金融庁登録業者であること、セキュリティ対策、手数料、使いやすさ、流動性、サポート体制です。口座開設は通常、メアド確認、個人情報入力、本人確認(KYC)が必要です。特に未成年者は親の同意や親名義の口座が必須です。セキュリティのため、強固なパスワード、二段階認証(2FA)、フィッシング詐欺への警戒が不可欠です。また、多額の暗号資産を取引所に長期保管せず、個人のウォレットに移すことが推奨されます。