第29課:~される(受け身の言い方 "被")

「~された!」を伝えよう!受け身の表現

みんな、これまでは自分が「する」側の行動を中心に話してきたけど、時には「~された」みたいに、何かを「される」側の立場になることもあるよね。 今日は、そんな時に使う受け身(受動態)の表現、特に「被 (bèi / ベイ)」 を使った文の作り方を勉強するよ!

「被」の文は、日本語の「~に~される」と似ているけど、中国語では特に被害や好ましくないことが起こったときに使われることが多いんだ。 このニュアンスも一緒に覚えていこうね。

1. 基本の形:「受け手 + 被 (+ 動作主) + 動詞 + その他の成分」

「Aが(Bに)~される」という受け身の文の基本的な形はこれだよ。

受け手 (A) + 被 (+ 動作主 (B)) + 動詞 + その他の成分 (了, 結果補語など)

「受け手」は、動作をされる人や物。「動作主」は、その動作をする人や物で、省略されることもあるんだ。 動詞の後ろには、「了」 などのアスペクト助詞や、動作の結果を表す言葉(結果補語けっかほご って言うよ。これはまた後で詳しくね!)が来ることが多いよ。

(Wǒ de qiánbāo bèi tōu le.)

私の財布が盗まれました。(動作主は不明、または言う必要がない)

(Tā bèi lǎoshī pīpíng le.)

彼は先生に批判されました(叱られました)。

(Bēizi bèi xiǎo māo dǎpò le.)

コップが子猫に割られました。

2. 「叫 (jiào)」「让 (ràng)」も受け身に使える?

「被」の代わりに、口語では「叫 (jiào / ジァオ)」「让 (ràng / ラン)」 が使われて、受け身の意味を表すこともあるんだ。 これらが使われるときは、基本的に動作主を省略できないことが多いよ。

(Wǒ de zìxíngchē jiào rén qí zǒu le.)

私の自転車が(誰かに)乗って行かれました。

(Yīfu ràng yǔ línshī le.)

服が雨に濡らされました。

「叫」や「让」は、次の課で勉強する「使役(~させる)」の意味も持っているから、文脈でどっちの意味か判断する必要があるんだ。でも、受け身で使われるときは、やっぱり好ましくない状況が多いよ。

3. 「被」構文のニュアンス

最初にも言ったけど、「被」の文は、多くの場合、話し手にとって不本意なこと、迷惑なこと、被害を受けたことを表すんだ。 だから、良いことや中立的なことに対しては、あまり使われない傾向があるよ。 (もちろん例外もあるけど、基本的にはこのニュアンスを覚えておこう!)

例えば、「私は先生に褒められました」という良いことを言うときは、「被」を使わずに「老师表扬了我 (Lǎoshī biǎoyáng le wǒ - 先生が私を褒めました)」のように能動態で言う方が自然だよ。

💡 英語と比べてみよう! (Passive Voice)

中国語の「被」構文は、英語の受動態 (Passive Voice: be動詞 + 過去分詞) と働きが似ているね! 例えば、「My wallet was stolen.」は「我的钱包被偷了。」のように、主語が何かを「される」という点を表すのは同じだね。 「被」の後ろに動作主が来る場合(例:被老师批评了 - 先生に批判された)、英語の "by someone" (例: criticized by the teacher) の "by" の役割と似ているとも言えるよ。

でも、大きな違いがいくつかあるんだ。

  • ニュアンスの違い: 中国語の「被」構文は、上で説明したように、多くの場合、話し手にとって好ましくないこと、被害を表すんだ。英語の受動態は、もっと中立的に使われることが多いよね(例:This book was written in 1990.)。良いことに対して「被」を使うのは不自然なことが多いんだ。
  • 使用頻度: 中国語では、能動態で表現できるなら、そちらの方が好まれる傾向があるよ。英語では、客観性を出すためや、動作主をぼかしたいときなど、受動態が積極的に使われる場面が多いけど、中国語の「被」は、どうしても受け身で言いたい「被害」の状況などに限定されやすいんだ。
  • 動作主の省略: 英語の受動態では動作主 (by...) を省略することがとても多いけど、中国語の「被」構文でも動作主は省略できるけど、「叫」や「让」を使った受け身の場合は動作主が必要になることが多いよ。

だから、「~される」=「被」と単純に置き換えるんじゃなくて、どんな状況で使われるか、どんなニュアンスがあるのかを意識するのが大事だね!

受け身の「被」の文、どうだったかな? ちょっとネガティブな響きがある言葉だったけど、これも日常で起こりうることだから、しっかり覚えておこうね!
動作主を言ったり言わなかったり、「叫」や「让」を使ったり、いろんなバリエーションがあったね。
次回は、今度は逆に「~させる」っていう「使役」の表現を勉強するよ! 人に何かをしてもらったり、ある状態にさせたりする言い方をマスターしよう!